シャープは4月25日、全自動洗濯機(タテ型)の穴なし槽シリーズから新製品を5モデル発表しました。注目は最上位モデルの「ES-SW11H」です。シャープはいままでドラム式洗濯乾燥機の一部に液体洗剤の自動投入機能を搭載していましたが、ES-SW11Hはタテ型の全自動洗濯機として初めて、液体洗剤と柔軟剤の自動投入に対応しました。
このほか5モデル共通で、従来モデルからのデザイン変更やパルセータ―改良を行っています。シャープの「穴なし槽」構造タテ型洗濯機はファンも多いシリーズ。新製品の発表会で実機をチェックしてきました。
全製品シャープなデザインになって洗濯効率もUP!
新製品の全モデルで共通している変更点は、デザインとパルセータ―の改良です。一目でわかるデザイン面は、フタ。従来はすべて丸形だった全自動洗濯機のフタが、よりすっきりとした印象の四角い形になりました。
また、洗濯物の投入口が32mm広くなったうえ、投入口にある引き出し式の洗剤投入口も突出しない形に変更。大型の洗濯物を出し入れするときに引っかかりにくくなりました。
もうひとつの注目進化は、洗濯物をかき混ぜる「パルセータ―」の改良。既存のタテ型洗濯機は、イルカの形をパルセータ―に応用した「パワフルドルフィンパル Ag」を採用しています。これはパーツ表面にイルカのヒレにある「シワ」を応用したもの。パルセーターの裏面に、イルカの尾ビレから着想を得たという形の部分があります。
新製品では、パルセーターの表面にも尾ビレの形を応用した流線型の山形デザインを配置しており、より強い水流を作り出せるそうです。加えて、2カ所に3つの凹凸形状を入れることによって、衣類とパルセータ―の摩擦をおさえる工夫も取り入れた「パワフルドルフィンパルNEXT」に進化しました。
新パルセータ―は従来以上に強い水流を作り出すことから、洗濯中の衣類の上下移動がすばやくなりました。標準コースで洗濯した場合、洗い時間は既存製品よりも15%ほど短縮できるとのこと。
IoT対応の最上位機種は、液体洗剤・柔軟剤の自動投入に対応
今回の新製品で個人的にもっとも目立ったのは、唯一のIoT対応である最上位モデルのES-SW11Hだけに搭載された、液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能です。これまでシャープはドラム式洗濯乾燥機の一部モデルにのみ自動投入機能を搭載していましたが、とうとうタテ型にも導入。設置スペースや好みで「ドラム式よりもタテ型がいい」というユーザーにとって、待望の新機能です。
シャープの液体洗剤・柔軟剤自動投入機能は「ウォーターポンプ方式」であることも特徴。液体洗剤や柔軟剤が流れる経路を常に水で満たしている仕組みです。洗剤や柔軟剤がすぐに水と混ざるというメリットがあるほか、経路の中で液剤が空気に触れないため、液剤が乾燥してポンプに貼りついたり、液剤の粘度が高くなったりといった問題が発生しません。
一般的に、洗濯機の液体洗剤・柔軟剤自動投入ユニットは3~4カ月に一度のメンテナンスが必要ですが、ウォーターポンプ方式の洗濯機は半年に1度のメンテナンスですみます。また、ES-SW11Hのみ音声機能も搭載しました。
シャープのタテ洗といえば「穴なし槽」
今回は乾燥機能を持たないタテ型全自動洗濯機の新モデルが発表されましたが、シャープのタテ型洗濯機といえば「穴なし槽」が最大の特徴。一般的な洗濯機は水で満たす「外槽」があり、ここにザルのように穴が開いている「内槽」をセット、衣類を入れて洗うのは内槽です。
この構造だと「内槽の外側」が洗濯後にびっしょりと濡れるため、カビが発生しやすいというデメリットがありました。しかも「外槽と内槽の間にたまった水」はムダになります。そこでシャープは1992年から、内槽に穴がなく、内槽にのみ水をためて洗濯する「穴なし槽」シリーズを発売。清潔性・節水性にも優れた構造なので「穴なし槽だからシャープを選ぶ」という声もよく聞きます。
ちょっと面白いのは、IoT対応のES-SW11Hのみ専用アプリで「穴なし槽だから節水できた水の量」がわかる機能を搭載していること。節水できた量を見える化することで、毎日の洗濯がちょっと楽しくなるかもしれませんね。
もちろん、今回の新製品はES-SW11H以外もすべて「穴なし槽」シリーズ。使い勝手も向上しているので「洗濯物は天日干し派」「独立型の乾燥機がある」など、乾燥機能一体型の洗濯機を使わない家庭ならチェックしてほしい製品です。