ASUS JAPANがノートPC「Zenbook」シリーズなどの新製品を一斉に発表しました。台湾本社まで多くのメディア関係者を招待して発表会を開催するという力の入れようで、ジョニー・シー会長も登壇して新製品をアピールしました。
その中で個人的な注目は、クリエイター向けの新製品ラインナップ。そんな新製品をご紹介します。
AI処理が必須のクリエイター向けノートPC
クリエイター向けとして特に位置づけたいのが、「Zenbook Pro」シリーズ3機種、「ProArt Studiobook」2機種、「Vivobook Pro」1機種。全て最新の第13世代インテルCore iシリーズを採用し、グラフィックスとしてGeForce RTXシリーズを内蔵。ディスプレイは「ASUS Lumina OLED」を採用しているので、画面表示も高レベル。さらにクリエイターアプリの操作を快適にするダイヤルなどの特別なUIを採用している点が特徴的です。
例えば「ASUS ProArt Studiobook Pro 16 OLED」は、インテルCore i9 13980HX、GeForce RTX 3000/GeForce RTX 4070、1TB SSD、最大64GBメモリ、16型3.2K 120Hz対応有機ELなどを搭載し、499,800円からの提供です。
ディスプレイは3,200×2,000ドット、応答速度0.2msというスペックに加え、色域はDCI-P3比で100%、色差はΔE<1、DisplayHDRサポートと高性能。タッチパッドはASUS Pen 2.0に対応してペン入力も可能です。
特徴はタッチパッドの左上に搭載されたASUS Dial。ダイヤルを回すことで細かな調整が可能で、ソフトウェアによって操作できる機能が異なり、Adobe Photoshop、Premiereなど、設定に従ってブラシサイズの変更や補正値の微調整など、細かな操作がダイヤルだけで行えます。
「ProArt Studiobook」は独立した物理ダイヤルが搭載されていますが、例えば「Zenbook Pro 14 OLED」や「ASUS Vivobook Pro 16X OLED」はタッチパッド上に「ASUS DialPad」を搭載。タッチパッドの一部がダイヤルのような回転操作が可能になることで、ASUS Dialと同様の操作が可能になります。物理ダイヤルよりは少し操作が難しくなりますが、ダイヤルパッドに内蔵されているので、省スペースで同様のことができるというメリットがあります。
大型ディスプレイ搭載モデルが多い中、「Zenbook Pro 14 OLED」は、Core i9-13900H/Core i7-17900H、GeForce RTX 4070/4060、512GB SSD、メモリ32GB、14.5型16:10タッチ搭載2.8K有機ELディスプレイでASUS Pen2.0に対応します。価格は249,800円から。
同様のタッチダイヤルは、「ASUS Zenbook Pro 16X OLED」にも搭載。こちらはサイズに余裕があるためか独立しダイヤルパッドになっています。タッチパッド一体型のタッチダイヤルは、「Vivobook Pro 16X OLED」にも採用されています。
「Zenbook Pro 16X OLED」は、インテルCore i9-13905H、GeForce RTX 4080、DCI-P3比100%の3.2K 120Hz対応有機ELを搭載。ASUS Pen2.0による手書き入力もサポートします。価格は559,800円から。
2画面の「Zenbook Pro 14 Duo OLED」は、Core i9-13900HやGeForce RTX 4060/4050、32GBメモリ、1TB SSDなどを搭載し、キーボード上部にScreenPad Plusを搭載している点が特徴です。この画面には、ASUS Dialと同様にツールにあわせた操作画面を表示でき、Photoshopで露出をタッチダイヤルで微調整したり、スライドバーで数値を切り替えたりと、ダイヤルよりも幅広い範囲で操作を快適にできます。
昨今は、PhotoshopやPremiereなど、クリエイター向けツールのAI対応が進んでいます。こうしたAI処理にはGPUを活用することが多く、GPU性能が一段と重視されています。その点、ASUSのクリエイターPCはNVIDIAのGPUを搭載することで処理性能を向上させている点が強みです。
画像処理でもAIを駆使することが多くなりましたし、動画の処理だけでなく様々なシーンでAIが活用されるようになり、その場合にGPUが威力を発揮します。私もLightroom Classicの新しいAIノイズ除去や画像出力、Photoshopのフィルター、動画ソフトでの出力でdGPUを活用しており、非力なノートPCでは効率が悪くなってきてしまっています。もはや、dGPUが必携のスペックになったと言えるでしょう。
今回紹介した中では「Zenbook Pro 14 OLED」が画面サイズとスペック、そしてDialPadを搭載しながら1.6kgという重量のバランスがよく、モバイルもしたいクリエイターには最適ではないかと感じました。個人的に要注目の製品です。