スマートフォンをポケットやかばんの中からいちいち何度も取り出すのは面倒なもの。スマートウォッチを腕にはめておけば通知を見たり天気をチェックすることも手軽にできますが、小さい画面をタッチしたりスクロールさせたりと、意外と面倒なものです。
情報が目の前に表示されるのであればスマートフォンを取り出したりスマートウォッチを操作する必要もありません。そんな便利なツールがOPPOの「Air Glass 2」です。Air Glass 2は見た目は眼鏡ですが、レンズ部分に半透明のディスプレイが内蔵されています。
スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなど身体に装着する「ウェアラブルデバイス」は様々な製品が発売されています。その中でも最近増えているのが眼鏡型のデバイス「スマートグラス」です。スマートグラスにもいろいろな製品があり、Nrealからはスマートフォンなどの画面を表示できる「Nreal Air」、ARに対応した「Nreal Light」が販売中。またファーウェイはワイヤレスイヤホンになる「HUAWEI Eyewear」を販売しており、OWNDAYSから聴こえるメガネ「OWNDAYS×HUAWEI Eyewear」として独自モデルも販売されています。
OPPOのAir Glass 2は通知などを表示できる点はNrealの製品に近いのですが、表示できる情報は文字やアイコンが中心の簡易的なもの。スマートウォッチの画面がそのまま眼鏡に表示されるイメージです。
Air Glass 2のレンズ部分は何も表示しないときは透明であり、見た目は普通の眼鏡にしか見えません。普段は眼鏡として使えるので違和感も無いでしょう。またAir Glass 2の重さは38gで一般的な眼鏡とあまりかわりません。
Air Glass 2はスマートフォンとBluetoothで接続して使用します。表示できる機能は電話の着信通知、ナビゲーション、リアルタイムの翻訳、天気予報やスケジュールの表示など。通知があれば自動的に画面に表示されますし、スマートフォンアプリを起動してこれらの情報を表示することが可能です。なお現時点ではまだ開発中のモデルのため、詳細なスペックや機能は発表されていません。
OPPOはこのAir Glass 2の前モデルとして「Air Glass」を中国で販売しています。Air Glassは片目タイプなのでデザインはかなり異なりますが、出来ることはほぼ同等のようです。ディスプレイは長方形で640×480ピクセル、グリーンの単色カラーで16階調または256階調に対応し、多少のグラデーションをかけた表示ができるわけです。操作はスマートフォンアプリを使わなくとも、本体横の「つる」の部分のタッチやタップでも行えます。
たとえばナビゲーション機能では、地図アプリでナビゲーションを起動すると、あと何メートルで「前進」や「右折」といった矢印などの表示をAir Glass 2の画面に投影してくれます。スマートフォンを見ながらの自転車の走行は危険ですし日本では禁止されていますが、Air Glass 2をはめておけばスマートフォンのナビゲーション通りに方向を目の前で案内してくれるのです。また歩行中でもスマートフォンのナビゲーションを使おうとすると、そもそも現在どちらの方向を向いているのか悩んでしまうことがありますよね。でもAir Glass 2ならどちらに向かうかを的確に指示してくれるのです。
Air Glass 2は2022年12月14日に中国で開催されたOPPOの技術イベント「OPPO INNO DAY 2022」で発表されました。その後グローバルでの公開はなかなかされず、2023年2月末にスペインで開催された「MWC 2023」のOPPOブースでようやく実機を試すことができました。10分程度使ってみましたが、必要な時だけ目の前に表示してくれ、しかも単色で文字を表示してくれるのでかなり見やすく十分実用的と感じました。
プレゼンテーション機能は実際にOPPO INNO DAY 2022のプレゼンテーションの時にも使われた機能。プレゼンの資料に合わせてしゃべる内容のテキストを目の前に表示してくれ、カンペ不要で10分以上のプレゼンもできてしまうのです。ビジネス用途にこれはいいかもしれません。
スマートフォンのアシスタントとしてスマートウォッチは便利な製品ですが、情報を見るという点ではあまり使い勝手のいいものではないかもしれません。Air Glass 2のようなスマートグラスの機能は「Assited Reality」とも呼ばれ、必要な時に目の前に情報を表示してくれます。様々な情報に常にアクセスする必要がある人や、ハンズフリーで情報にアクセスしたい人には便利なツールと言えるでしょう。ぜひ製品化してほしいものです。