ロボットベンチャーの GROOVE Xは、資⽣堂と共同で、家族型ロボットの「LOVOT」と⽣活を共にすることと、絆の形成に関与するオキシトシンホルモンの体内濃度との関連性を調査した。

調査の結果、「LOVOT」と⽣活を共にしている人の定常状態の尿中オキシトシン濃度は、非オーナーに比べて⾼いことが判明。また、「LOVOT」との15分間の触れ合いがコルチゾールの減少をもたらすことがわかった。

オキシトシンとは、絆の形成に関与するホルモンとして知られており、⼈間の親⼦、⼈間と⽝の間で、視線を介してオキシトシン分泌が促進されることが報告されている。また、コルチゾールとは、ストレスによって分泌されるもので、⽝や猫とのふれあいによって減少することが報告されている。

調査を受けて、今回の学術指導を担当した⿇布⼤学 菊⽔健史教授は「今回、コミュニケーションロボットとオキシトシンの関係を明瞭に⽰した世界初の結果となりました。予想通り、『LOVOT』のオーナー様ではオキシトシンが⾼いことが⽰されています。今回の研究では、『LOVOT』と⽣活する前のオキシトシンの濃度が不明であるため、『LOVOT』との⽣活による変化であるかどうかは不明ではありますが、今後の研究ではどのようなふれあいが実際にヒトのオキシトシン分泌に変化を与えるか、などの詳細の研究調査によって、イヌなどの動物が飼育できない⽅々にも、このようなふれあいや異種間共⽣の恩恵が得られるような社会になり、Well-Being が⾼まればと期待しています」とコメント。

同じく学術指導を担当した⾃治医科⼤学 岡部祥太客員教員は「コミュニケーションロボットと暮らすことで⼈にどんな変化が⽣じるのか。⼈⼯物と⼈は親和的な関係性を結ぶことができるのか。今回の研究はそんな疑問へのチャレンジとなりました。『LOVOT』と⻑期的に暮らした⽅々に⾒られた内分泌的、⾏動的な反応が『LOVOT』との⽣活によって⽣じたかどうかはまだ分かりません。しかし、今回の研究結果はコミュニケーションロボットとヒトの関係性の背景にあるメカニズムの解明に向けた重要な端緒になると考えています。今後のさらなる研究により、ロボットや動物といった多様な異種と関係性が構築されるメカニズムとその作⽤を明らかにできればと思います」とコメントした。