英Nothing Technologyは、ハイレゾワイヤレス再生に新たに対応し、サウンドをユーザーに最適化する仕組みも備えた完全ワイヤレスイヤホン「Ear (2)」を3月23日に全世界で発売する。価格は22,800円。カラーはホワイトのみ。

  • Nothing Ear (2)

  • Ear (2)の充電ケース

同社初の“第2世代”製品となる完全ワイヤレスイヤホン。Nothing製品ならではの透明なデザインに、エリートエンジニアリングと次世代パーソナライズを加え、「究極のオーディオ体験を実現する」とアピールしている。デザインはほぼ「Ear (1)」(2021年発売/直販18,500円)を踏襲しているが、中身は大きく変わった。

国内では3月23日からNothingの公式ECサイトにて数量限定で先行販売を開始するほか、Kith Tokyo(実店舗)でも取り扱う。さらに、家電量販店などでも3月30日から販売予定で、先行して3月28日から通常の予約販売を開始予定だ。

取り扱うのはMoMA Design Store、二子玉川 蔦屋家電、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ケーズデンキ、e☆イヤホン、池部楽器店パワーレックの実店舗及びECサイトと、一部のECサイト(HATCH、NTTぷらら、ひかりTVショッピング、エディオン、上新電機)。

  • Nothingの歴代イヤホン製品。左がカナル型のEar (2)、右端がEar (1)。中央はハーフインイヤータイプのEar (stick)。どれも一見似ているが、細かい違いに注目

NothingのCEO兼共同創業者であるCarl Pei(カール・ペイ)は、「エコシステムの第一弾であり、60万台以上を売り上げたEar (1)をさらに進化させたデバイスとしてEar (2)を披露できることを嬉しく思う。Ear (2)は、最先端の技術を駆使してすべてを一から再設計した最新のサウンドデバイス。究極のパーソナルリスニング体験をユーザーに届ける」とコメントしている。

なお、従来のEar (1)は流通在庫をもって終売の見込み。Ear (1)はカラーバリエーションとしてホワイトとブラックの2色から選べたが、Ear (2)では現状ホワイト1色のみとなる。

  • 充電ケースに収めたところ。左からEar (2)、Ear (stick)、Ear (1)

Ear (2)の詳細

  • Ear (2)のメディア向け説明会にオンラインで登場した、同社共同創立者のアキス・イワンジェリディス氏(右)。製品の特徴とこだわりを語った

Ear (2)は、新たに11.6mmのカスタムダイナミックドライバーを搭載している。ポリウレタンとグラフェン素材を組み合わせて再設計したことで、「豊かな高音域と深く柔らかな低音域」を実現。さらに独自のデュアルチャンバー設計によってイヤホン内部に広い空間を確保して、スムーズなエアフローも追求し、従来のEar (1)から音質を強化した。

  • Ear (2)の内部構造

  • ドライバーの設計に関する詳細

  • 独自のデュアルチャンバー設計も採用した

最大192kHz/24bit、最大1Mbpsのビットレートで送信可能なLHDC 5.0コーデック技術を採用。日本オーディオ協会が定めたハイレゾオーディオワイヤレスの認証を取得しており、「レコーディングスタジオにいるかのような臨場感あふれるサウンド体験」を追求している。コーデックはLHDC以外にも、AACとSBCをサポート。LDACやaptX系のコーデックは対応しない。

  • Ear (2)のパッケージ。引き手を引っ張ってビリビリとパッケージを破いて開けるスタイルは既存製品と同じだ

  • パッケージの裏には、ハイレゾオーディオワイヤレスのロゴが小さく刻印されている

短時間の試聴テストではあるが、実際にNothing Phone (1)にインストールした音楽プレーヤーアプリ「Poweramp」や「USB Audio Player PRO」でハイレゾ音源を再生したり、Apple Musicのハイレゾロスレス楽曲(48kHz以上)を再生してみたりしたところ、ワイヤレス再生とは思えないリッチなサウンドが楽しめた。開発者モードでコーデックを手動で切り替えてみると、LHDCコーデックではPhone (1)からEar (2)に伝送される情報量が格段に増え、ダイナミックレンジや解像感が向上しているのを実感できる。

Ear (2)はLHDC 5.0に対応しているが、送り出し側のPhone (1)でサポートするのはLHDC V3となる模様。実機でイーグルス「ホテル・カリフォルニア」などの192kHz/24bitの楽曲を再生すると、96kHz/24bitに変換して再生されてしまう点は気になるところだ。この挙動は、Phone (1)のストレージに保存したハイレゾ音源でも、Apple Musicのハイレゾロスレス楽曲のストリーミング再生でも同じだった。

  • Powerampでイーグルス「ホテル・カリフォルニア」(192kHz/24bit)を再生。画面下に小さくステータスが表示されており、LHDC V3で、96kHz/24bitの音質で再生されていることが分かる

LHDCは台湾の半導体メーカーSavitechが開発したBluetoothコーデックで、Huawei(ファーウェイ)のスマートフォンのほか、一部のハイレゾポータブルプレーヤーにおいて「HWA」という名称で採用例がある。対応機器であれば、Ear (2)の実力をさらに引き出せるかもしれない。

  • Phone (1)の開発者モードの画面

Ear (2)は、Nothing Xアプリでヒアリングテストを行うことで、自分だけのパーソナルサウンドプロファイルを作成することもできる。ユーザーの聴力に合わせてリアルタイムでイコライザーのレベルを調整し、最適なリスニング体験を提供するという。アプリからイコライザー設定で調整して、サウンドのカスタマイズも行える。

なお、Ear (2)はDolby Atmosや360 Rearity Audioといった空間オーディオフォーマットやヘッドトラッキング技術はサポートしていないものの、同社は「今後Nothing製品のエコシステムにおいて追加で対応していくことを考えている」と回答している。

  • Nothing Xアプリと組み合わせてさまざまな設定が行える

独自のノイズキャンセリング(NC)機能を備えており、最大40dBのノイズ低減を実現。ユーザーの外耳道の形状に合わせた“パーソナライズド・アクティブ・ノイズ・キャンセレーション”と、環境に応じてノイズ低減レベルをリアルタイムで自動調整する“アダプティブ・モード”により、最適なNCを実現するという。外音取込モードも利用できる。

  • Nothing XアプリのNC機能の画面

  • イヤーピースが耳にフィットしているかを確認することもできる

ハンズフリー通話機能を備え、クリアな通話を実現するために、Nothingの独自のクリアボイステクノロジーを採用。各イヤホンに搭載した3つの高精細マイクと、2,000万以上のサウンドサンプルをフィルタリングできるAIノイズリダクションアルゴリズムによってバックグラウンドノイズを除去し、通話中のユーザーの声を聞き取りやすくする。

  • イヤホン本体の外側

  • イヤーピースを外したところ

使い勝手も強化。2つのデバイスに同時に接続して、音楽再生と着信をシームレスに切り替えられるデュアルコネクションが利用できる。例えば、PCで音楽を視聴しているときにスマートフォンで着信すると、自動的に着信を知らせる。イヤホンに触れてシームレスに通話を開始でき、終話後には自動でPCの音楽再生を再開するという。

接続性に関しては、Android端末では初回のペアリング作業が簡単に行える「Google Fast Pair」、Windows PCに近づけるだけでペアリングのポップアップ画面が立ち上がる「Swift Pair」に対応する。

ほかにも120ms以下まで遅延を抑えるゲームモードを備え、Phone (1)と接続すると自動でLow Lag Modeがオンになる(同機種以外は、Nothing XアプリでLow Lag Modeを手動でオンにする必要がある)。同モード利用時のコーデックはSBC。

イヤホンに触って各種操作が行える“プレスコントロール”も装備しており、曲のスキップやノイズキャンセリングモードの切り替え、音量調整なども行える。Nothing Xアプリで割り当てのカスタマイズも可能だ。このほか、イヤホン本体はIP54相当、充電ケースはIP55相当の防水対応となっている。

  • 充電ケースの設計もEar (1)からさまざま変更している

  • Ear (2)のケース裏。イヤホンを収めた部分が丸くせり出す、立体的な形状になっている

  • Ear (1)のケース裏はフラットなデザインだった

  • ケースのサイズもコンパクトに。左がEar (2)、右がEar (1)

全体的な電力消費を抑えて最適化するチップを採用しており、バッテリーもちを強化。連続再生時間は、NCオン時がイヤホン単体で4時間、充電ケース込みで最大22.5時間。NCオフ時は単体で6.3時間、ケース込みで最大36時間音楽を聴ける。10分の充電で最大8時間(NCオフ時)音楽を再生できる急速充電にも対応する。

充電ケースはUSB Type-Cの有線接続による充電と、最大2.5WのQiワイヤレス充電に対応。Phone (1)のように給電可能なデバイスでは、ケースへのリバース充電も行える。重さはイヤホンが片耳4.5g、ケースが51.9g。付属品はS/M/Lの3サイズのイヤーピースとUSB-Cケーブルなど。

  • ケース側面にペアリングボタンとUSB-C端子を備える