今年4月1日から、自転車の全利用者を対象にヘルメットの着用が努力義務となるが、現在のところ、自転車ユーザーの約8割は、ヘルメットを毎回着用していないという。これは、ネルギー・住まい・暮らしの総合サービス事業を提供するシナネンホールディングスが実施した「自転車用ヘルメット着用に関する実態調査」によるものだ。

  • 自転車ユーザーの約8割「ヘルメットを着用していない」 - 4月1日から努力義務化

    自転車ユーザーのヘルメット着用に関する調査を実施

本調査は、自転車の製造・卸売などを行うシナネンサイクルと、シェアサイクル「ダイチャリ」を運営するシナネンモビリティPLUSとともに実施したもので、今年2月に、週1回以上自転車を利用する全国の15歳から69歳の男女1,299人を対象に「自転車のヘルメット」に関する質問を行った。

まず、「自転車用ヘルメットの着用状況」について質問したところ、78.8%が「着用していない」と回答。約8割の自転車ユーザーがヘルメットを着用していないことが明らかとなった。また、ユーザーの自転車利用頻度別で見ると「ほぼ毎日自転車を利用する」ユーザーの着用率が27.7%と最も多く、次いで「週の半分以上は自転車を利用する」ユーザーが24.6%、「週に1、2回程度自転車を利用する」ユーザーは11.8%と、利用頻度の高いユーザーほど着用率は高い傾向にあるようだ。また、ヘルメットを所持している人でも半数近くが毎回は着用していないことも判明した。

  • 約8割の自転車ユーザーが、ヘルメットを着用していないことが判明(シナネンホールディングス調べ)

  • ヘルメットを所有していても、半数近くは毎回は着用しないようだ(シナネンホールディングス調べ)

次に、ユーザーが考える「ヘルメット着用者を増やすために必要だと思う取り組み」について質問。1位は47.3%で「持ち運びやすいヘルメットの開発」、2位は32.8%で「ヘルメット着用の重要性に関する報道の増加」、3位は29.4%で「ヘルメット購入に対する補助制度」という結果になった。やはり、ヘルメットの持ち運びに課題を感じるユーザーが多いようだ。また情報面や、制度面など多方面からの取り組みの強化がヘルメット着用率の向上につながるとユーザーは考えているようだ。

  • ヘルメットは、やはり「持ち運びのしやすさ」が重要(シナネンホールディングス調べ)

加えて、「自分自身がヘルメットを使用する場合に重視するポイント」について聞いたところ、1位は51.8%で「軽量性」、2位は49.5%で「安全基準を満たしている」、3位は40.3%で「自分専用であること」だった。軽量性や安全性に加えて、自分専用品を使用したいユーザーが多いことが伺える結果となっている。

  • ヘルメット選びは、「軽量」「安全」「自分専用」を重視傾向(シナネンホールディングス調べ)

最後に、「ユーザーが自転車乗車中に経験したヒヤリ・ハット」についても調査。1位は57.0%で「交差点を走行している時」だった。また、ヒヤリ・ハット経験後の行動変化では「スピードを抑えるようになった」ユーザーが53.0%と半数を超えたものの、「ヘルメットを着用するようになった」と回答したユーザーは2割と少ない結果となっている。

  • ヒヤリ・ハットの経験後、ヘルメットを着用するようになった人はわずか2割(シナネンホールディングス調べ)

同社は調査結果について、「ユーザーも安全性や衛生面から、自分専用のヘルメットを求めている傾向が伺えました。現在は、安全性も担保された、様々なデザインが多数存在していますので、自身が身につけるアイテムの一つとして好みのヘルメット選びを楽しんでいただけるよう、ヘルメットの入手環境においてもユーザビリティの向上が求められます」とコメントしている。