三菱電機の冷凍冷蔵庫、フラッグシップモデルは「中だけひろびろ大容量」シリーズ。2022年から登場したこのシリーズは、本体の幅と奥行きは従来のまま、庫内容量が増えた点が大きな特徴です。

そして2023年は、「中だけひろびろ大容量」シリーズに新しい容量帯の製品が2モデル登場します。野菜庫が真ん中にある「MZシリーズ」の485Lモデル「MR-MZ49J」(1月27日発売済み)と、3月10日発売予定で冷凍室が真ん中にある「WZシリーズ」の495Lモデル「MR-WZ50J」です。

三菱電機はWZシリーズに合わせて発表会を開催。「中だけひろびろ大容量」の新機能と、三菱の冷蔵庫ならではの人気機能について解説しました。

  • 発表会では、1月27日発売のMR-MZ49Jを展示。幅65cmで比較的コンパクトに見える本体ながら、485Lとたっぷり大容量。マイナビニュース +Digitalの林編集長(身長165cm)が並んでもそこまで大きく見えません。写真はフロストグレインブラウンのモデル

  • 冷蔵室はフレンチドア。新製品は両モデルともフロストグレインブラウンのほか、グレインクリア、グレイングレージュの3カラーを用意しています

断熱材が薄くなって庫内容量が25L以上アップ

「中だけひろびろ大容量」シリーズで最大の特徴といえるのは、薄型断熱構造「SMART CUBE」を進化させた薄い断熱材の採用です。従来は野菜室と冷凍室の間にある仕切りに厚さ42mmの断熱材が使われていましたが、新しい「中だけひろびろ大容量」シリーズは、この部分の断熱材が厚さ26mmまで薄くなっています。

これにより、いずれも幅と奥行きは従来サイズのまま、MR-MZ49Jは2022年モデルのMR-MX46Hと比較して内容責が30Lアップ。MR-WZ50Jは2022年モデルのMR-WX47Hと比較して25Lアップしています。

  • 2023年の新モデルは、真ん中野菜室のMZシリーズ、真ん中冷凍室のWZシリーズ。どちらも従来モデルと横幅・奥行きが同じサイズながら、容量がアップしています(本体の高さは少し伸びています)

  • 冷蔵庫天井部の薄さがわかるでしょうか。また、一般的な冷蔵庫は庫内の内側天井部分にアーチ状の傾斜がありますが、新モデルはフラットな天井なのも特徴的。これも庫内容量を増やせた理由の1つです

庫内全体が広いだけではなく、「中だけひろびろ大容量」シリーズはチルド室がワイドで広い点にも注目。通常、自動製氷機能を搭載した冷蔵庫は、製氷用の水タンクをチルド室の横に配置しているため、そのぶんチルド室の幅が狭くなります。一方で「中だけひろびろ大容量」シリーズは、チルド室の手前に水タンクを埋め込んでいるので、チルド室を庫内の幅いっぱいまでワイドに配置できているのです。

  • MR-MZ49Jのチルド室。引き出しが2段になっていますが、上が「ワイドチルド」室。下は、氷点下温度なのに凍らない「ひろびろ氷点下ストッカー」(過冷却現象を応用)。従来製品はこの氷点下ストッカー横に水タンクが配置されていました

  • チルド手前に埋め込まれた自動製氷機の水タンク「洗える埋めちゃっタンク」

新機能と一緒にアプリ機能も充実。冷蔵庫を使った見守り機能も

先述のように、「中だけひろびろ大容量」シリーズは2022年4月に発売したWZからスタート。新断熱材を使った広い庫内や、洗える埋めちゃっタンクなどは、2022年から継続の機能となります。

2023年からの新機能としては、「A.I.予報」を搭載。冷蔵室、野菜室、冷凍室の「庫内が散らかっている度合い」を予測して、庫内の食材を整理するタイミングをお知らせしてくれる機能です。

  • アプリでは、散らかっている(であろう)場所をお知らせ。お知らせをタッチすると、その庫内に適した整理方法の解説動画をチェックすることも

  • 散らかっているという予測をすると、アプリの通知に加えて冷蔵庫本体でもハートマークでお知らせ。片付けるべき場所もしっかり知らせてくれます

庫内が散らかっているかどうかを判断する基準は、扉の開閉時間。「中だけひろびろ大容量」シリーズは、冷蔵室や野菜室といった部屋ごとに温度や扉の開閉をセンシングする機能を搭載しています。

そこで各部屋の扉が開いている時間の変化を分析して、扉を開いている時間の平均が長くなると「庫内が散らかっているから、目的の食材を見つけるのに時間がかかっている」と判断。「整理をしてみませんか?」とお知らせを送るのです。

もうひとつの新機能としては、遠隔保守機能があります。万が一、冷蔵庫が壊れたときはアプリにエラーコードを送信し、遠隔地からでも故障箇所を特定しやすくなりました。

また、新製品は2月3日から始まったサブスクサービス「MeAMOR(ミアモール)」にも対応しています。ミアモールは、家電の使用状況をもとにして、遠隔地にいる家族の無事を知ることができる見守りサービス。冷蔵庫なら扉の開閉操作などの状況をチェックし、普段は毎日冷蔵庫を利用しているのに突然まったく利用しなかった……といった場合に、通知させることも可能。追加のカメラなどを利用しないため、相手のプライバシーを守りつつ、無事を確認できる点が特徴です。

三菱の冷蔵庫ならではの「瞬冷凍」した食材を使った料理と試食も

三菱の高機能冷蔵庫ならではの機能といえば、15年以上前から搭載されている「瞬冷凍」。もちろん新製品も「切れちゃう瞬冷凍A.I.」を搭載しています。

冷凍庫の温度より高い約-7℃で食材を凍らせることによって、食材がカチコチに凍らずサクッと切れる柔らかさで冷凍できるという機能です。「過冷却」という現象を利用して食材を冷凍するため、通常の冷凍方法と比べて食材の細胞破壊が少なく、肉や魚ならドリップの少ない美味しい解凍が可能だとしています。

  • 製氷室横の小さな引き出し部分が、会場に展示されていたMR-MZ49Jの「切れちゃう瞬冷凍A.I.」室

会場では、三菱電機の家電アンバサダーを務めるちおりさんが瞬冷凍を利用した料理を披露し、瞬冷凍の魅力を紹介してくれました。たとえば、メイン料理の「ひき肉とキャベツの回鍋肉」では、塊(かたまり)のまま凍らせたひき肉を包丁でサクサクと切り分け。「瞬冷凍なら『小分けにして冷凍』の必要がない」とメリットをうたいました。

  • 瞬冷凍の魅力を語るちおりさん。回鍋肉に使うキャベツはカットした状態で瞬冷凍。冷凍して塊になっても、手でほぐして使いたい分だけ取り出せるといいます

  • 瞬冷凍したミンチ肉を包丁でザクザク切り分け。普通の冷凍ミンチなら刃が通りませんが、瞬冷凍ならこの通り。ある程度を切り分けたら、解凍せずにそのままフライパンで炒めます

  • できあがった回鍋肉。キャベツは瞬冷凍したものを利用しましたが、しっかりとシャキシャキ食感でした

回鍋肉のほか、「いかのマリネサラダ」「フルーツとナッツのチーズケーキ」が提供されました。いかのマリネサラダは瞬冷凍したイカと千切り野菜をマリネしたもの。イカは生だと身と皮が滑ってカットしにくいものですが、瞬冷凍すると格段に切りやすくなるそう。

また、時間があるときに千切り野菜を作って瞬冷凍しておくことで、忙しいときの手間を省けます。マリネ液が野菜に染みこむには通常なら数時間から半日かかりますが、瞬冷凍した野菜なら20分ほどでしっかりと味がなじむとのこと。

  • 「いかのマリネサラダ」を試食するマイナビニュース +Digitalの林編集長。「ニンジンとタマネギ、ピーマンが冷凍しているとは思えないほどシャキシャキ!」(林)

  • クリームチーズと具材を混ぜて瞬冷凍で冷凍しただけの「フルーツとナッツのチーズケーキ」。常温だと包丁で潰れてしまうくらいの柔らかさですが、瞬冷凍しているので切り分けられます

いままでの冷蔵庫は「食材を長く保存」する家電でしたが、最近は家事の時短に貢献する機能を搭載した製品が増えてきました。三菱電機の冷蔵庫は、以前から瞬冷凍による家事時短で人気でしたが、今回の新機能「A.I.予報」によって庫内をキレイに保つことサポート。ムダな時間を一層減らせるかもしれませんね。