髪が伸びてくると、比例して伸びるのはドライヤーをかける時間。筆者は男で、なおかつそこまで髪が長くありませんが、髪を乾かす時間が『暇』で苦手です。大好きなマンガを読みたい気持ちをグッとこらえながら乾かす日々を過ごしてきました。

そんなときQUADSから、ハンズフリーで髪が乾かせるスタンド式ヘアドライヤー「BISARA」シリーズとして、「BISARA with」が登場しました。価格は19,800円です。ペットを乾かす用途にも適しているとのこと。実際の使い勝手やペットを乾かしてみた感想をお伝えします。

  • スタンド式ヘアドライヤーのエントリーモデルである「BISARA with」を愛犬と共有し、1人と1匹の乾かす作業が格段に楽になったという内容です

ハンズフリーで使えるドライヤー「BISARA」とは?

QUADSは、ドライヤーや加湿器、暖房機器なといった家電の開発・販売を行うメーカー。BISARAシリーズは、自立式のスタンドにより本体を持たずにハンズフリーで髪を乾かせるドライヤーです。

スキンケアや歯みがきなど、手を別に動かしながら同時にブローを行える点が特徴。もちろんマンガを読んだりお風呂上りのビールを楽しんだりといった意識低めの使い方もOKです。

  • 筆者のルーティーン化しているイチ押しの使い方は、お風呂上りに髪を乾かしながらキンキンに冷えたチューハイを飲むこと。湯船で火照った身体に温風を浴びながら、流し込むお酒は最高です!

BISARA withは、BISARAシリーズのエントリーモデル。風量は2段階、温度は3段階で調節できます。スタンドの高さは81cm~142cm、ドライヤーの角度は上下約180度に調節可能で(いずれも無段階)、風を送りたい方向や髪との距離を設定しやすいです。

  • BISARA withのカラーラインナップはブルーのみ。インテリアにもなじみやすい落ち着いた色です

  • 高さを調節するダイヤル部分

  • 土台部分は直径26cm。高さを最大まで伸ばしても安定しており、ぶつかっても倒れることはまずありません

  • ドライヤーの吸い込み口

いざ試用、頭が風に包まれる!

床にあぐらをかいた状態で、ドライヤーが頭から20~30cmほどの高さに設定。起動してみると、動作音は比較的静かながら十分な風量の風が出ました(風量は最大に設定しました)。

  • たとえ両手を使ったとしても、ドライヤーを持つ必要がないことが非常にありがたい。筆者よりも髪が長い人ならなおさらです。ズボラな筆者は、もうドライヤーを持つ生活には戻れそうにありません

ここまで読んだ方の中には「ドライヤースタンドを買うだけでいいのでは?」と思う人もいると思います。「ドライヤー+ドライヤースタンド」と決定的に違う点は、ドライヤー本体の底面2カ所に吹き出し口を備える「TWIN AIR SYSTEM」。吹き出し口が2個あることで広い範囲に風が送れます。

  • 操作スイッチを縦に2個挟み、吹き出し口を2つ搭載します

広範囲に風が送れることで、乾かす箇所を変えるたびに大きく頭を動かす必要がなく、多少首を傾けるだけで側頭部から頭頂部まで全範囲乾かせます。頭が“風に包まれているような”感覚です。空気が通ってより早く乾くように髪を片手・両手で“ワシャワシャ”とといたり、まったくなにもせずぼーっとしたりする使い方を試してみましたが、変わるのは乾くまでにかかる時間のみで、どの方法でも乾き終わりの出来に支障はありません。

  • 乾かしながら両手でスマホを使えます

  • 片手でスマホをいじりながらもう片方の手で乾かす使い方も

少しだけ残念だった点は、手を使わずに乾かすと、若干つぶれたようなボリュームのない仕上がりになること。上から風が当たるので当然と言えば当然ですが、トップにボリュームを持たせたい方のヘアセット用にはあまり適していないと感じました。上を向きながら乾かしたり、ドライヤーの向きを工夫したりすれば軽減できますが、もし気になる人は一般的なドライヤーとの2台使いをお勧めします。

  • 上位モデルにあたる「BISARA ハンズフリースタンドヘアドライヤー」との違いは、風量・温度調節など。BISARA ハンズフリースタンドヘアドライヤーが風量3段階/温度5段階に対し、BISARA withは風量2段階/温度3段階です

  • もちろん椅子に座ったままでも使えます。ただし対応する高さは142cmまでなのでヘッドレストまであるゲーミングチェアなどは厳しいかもしれません

愛犬を乾かす作業が「こんなに楽になるの?」

実は、筆者がこのBISARA withに目を付けた最大の理由は、スマホをいじりながら髪を乾かしたいという気持ちではなく、「愛犬をラクして乾かしたい! 」というものでした。

我が家では小型犬(犬種:ハバニーズ/1歳)を飼っており、月に2・3回ほどシャンプーします。このときの、ドライヤーで毛を乾かす作業が非常に重労働でした。というのも、我が家の犬は、風が当たるのが嫌なのか、大きな音が嫌なのか、とにかくドライヤーが苦手。

  • 嬉しそうな顔でケージから出てきても、シャワーを察するとイヤそうな顔になります

一般的なドライヤーを使って風を当てる場合、左手にドライヤー、右手で毛が絡まないようときながら乾かしてあげるのが理想です。ですが、ドライヤー嫌いな犬がおとなしくしているはずもなく、毎回大暴れ。片手で押さえつけながらだと、グルーミングもできず、いつも妻と2人がかり且つ逃げないようおやつで気を引きながら乾かしていました。

  • 闘いの記録。闘うたびに逃げ出し方も上手になり、最近だと1人ではまずできません

大きな音と強い風が苦手でドライヤーを嫌がる犬は筆者の周りに多くいるので、「手がもう1本あったら……」という似たような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

  • シャワー自体は嫌がらないので、ドライヤーが嫌いなのでしょう

もちろん、ペット用ドライヤーにも自立式の製品はあります。しかし、月に2回ほどしか使わないもののために設置して部屋が狭くなるのも、使うたびに設置・片づけするのも正直イヤ(ここにもズボラさが出ています)。「どうせ設置するなら自分でも使いたい! 」と思っていたときに見つけたのがBISARAシリーズでした。

BISARA withの温度は3段階(室温の風を送る送風モード・70±5度・95±5度)で、ペットを乾かすときに使うモードは、送風モードか70±5度のモード。犬の場合、ドライヤーの温風は一般的に60度前後がよいとされています。

BISARA withは風量が強く、スタンド式で風の吹き出し口の高さが決まっているため、近づけすぎて熱い思いをさせてしまう可能性がなく、犬にとって問題ない温度で乾かせる点も好印象です。

  • 大体の目安になりますが、95±5度の温風を送っても距離を確保すると写真のように問題ない温度で乾かすことが可能です。念のため筆者は、温風と冷風を交互に使いながら熱くなりすぎる箇所が無いように使っています

「これで両手は空いた。絶対に逃がさないぞ……」と、戦いに終止符を打つべく、愛犬をBISARA withで乾かしてみたところ、なんとまったく逃げずにおすわり。しばらく見守りながら放置すると気まぐれに移動しましたが、上からの風をほとんど嫌がっている様子はありません。

  • 逃げない! これはうれしい誤算です

  • グルーミングもしっかりできます

なんと、我が家の愛犬は、BISARA withで乾かすとほとんど嫌がらず、最後まで乾かせてしまいました。両手が空くどころか押さえつける必要もなく、少々出来すぎな気がします。これは飼っているペットの性格などにもよると思うので、あまり参考にならない情報だとは思いますが、筆者の場合はペットのドライヤーが格段に楽になりました。

ただ、もし風を嫌がっていたとしても、片腕が空くとかなり負担が減りますし、ドライヤーをペットに近づけすぎることもなくなって安全が担保されます。自分のドライヤーが楽になることがメインだと考えた場合、サブ用途としては、十分すぎるメリットではないでしょうか。

  • お腹側の毛は抱っこしながら乾かします

  • いいにおいになって“吸う”筆者と、真顔の愛犬