セイコーウオッチの高級ブランド「グランドセイコー」から、セイコーの腕時計110周年を記念した限定モデルが登場する。発売は2月24日、世界限定500本(うち国内100本)、価格は181万5,000円。
セイコーの腕時計は、1913年に国産初の腕時計となる「ローレル」を発売してから、2023年で110周年を迎える。なお、この初代ローレルは、2014年に日本機械学会から「機械遺産」として認定された。
今回登場する「SBGW295」は、110周年を記念し、初代グランドセイコー(1960年発売)の造形を再現するとともに、日本の伝統工芸である「漆芸」を組み合わせた特別限定モデル。
ダイヤルは、初代グランドセイコーのデザインを復刻しつつ、奥行きある深い艶を放つ黒漆を用いてブラックダイヤルとした。漆の中でも生産量が限られる、希少な純国産の漆を使っている。国産の漆は海外産と比較して、乾きが早く扱いも困難だが、耐久性・耐光性に優れているだけではなく、艶やかな発色を長く保つ。
均一に漆を塗布した上には、金沢の漆芸家・田村一舟氏がバーインデックスと「Grand Seiko」のロゴに高蒔絵(漆で文様を描いて高く盛り上げる蒔絵の技法)を施した。漆を塗り重ねることで盛り上げ、上から金粉を蒔いたのち、丹念に磨いて立体的に仕上げている。
秒針と分針の先端は、外周に向かって緩やかに曲げられており、これは手作業によるもの。針とダイヤル(インデックス)との距離を短くすることによって、時刻の判読性を高めている。
ケースと中留の素材は、ザラツ研磨により磨き上げたブリリアントハードチタン(2017年に開発されたセイコー独自のチタン合金素材)。ストラップには、かつて武士の鎧兜を編み上げたという伝統的な手法「鎧織」(よろいおり)を、グランドセイコーとして初めて採用した。細く裁断した牛革を、職人の手で糸と平織にすることで耐久性を向上させている。
ケースサイズは外径38mm×厚さ10.9mm。風防は内面無反射コーティングのデュアルカーブサファイアガラス、裏面はシースルーバック、防水性能が日常生活用防水(3気圧)。ムーブメントは手巻きのメカニカルムーブメント「キャリバー9S64」、パワーリザーブは約72時間。