iPhone 14シリーズやApple Watch Series 8などの最新モデルは、車が激しく衝突したことを検知し、自動的に119番へ緊急通報を行う「衝突事故検出」機能を搭載しています。負傷して自分でiPhoneの操作ができない状況でも自動で救助の通報をしてくれる頼もしい存在ですが、スノーボードで転倒した場合などウィンタースポーツの最中に誤作動する場合があることが分かりました。救急に不要な出動をさせて迷惑をかけないためにも、もし事故ではないのに誤作動した場合の対処法はあらかじめ頭に入れておくのがよさそうです。
事故ではないのに自動通報された場合、誤報であることを知らせる必要がある
iPhoneやApple Watchを利用している人の安全を守る機能を精力的に搭載してきたことで知られるアップル。数年前には、Apple Watchを装着している人が強く転倒したことを検出して自動で緊急通報する転倒検知機能をいち早く搭載しています。
2022年秋に発売したiPhoneやApple Watchの新製品は、不意の交通事故に遭ってしまった場合に自動で救助の通報をする衝突事故検出機能を新たに搭載しました。激しい衝突を検知した場合、iPhoneやApple Watchの画面に機能が働いたことを示す警告が表示されるとともに、音声でも警告の内容を読み上げてくれます。もし、ひどく負傷したり失神してiPhoneを操作できなくても、一定時間後に自動で119番に通報してくれる頼もしい機能です。
この機能、スノーボードやスキーで転倒したり、スノーモービルで急発進や急旋回を伴う激しい移動をした場合に誤って機能する場合があることが分かりました。もし、意図せずこの機能が働いて119番へ自動で通報した場合、あわてて電話を切らずに誤報であることを伝える必要があります。もし電話を切ってしまった場合、消防から折り返し電話がかかってくるので、電話を無視せずに誤報であることを伝えましょう。
もし、誤報であることを伝えないままにしておくと、消防は誤報なのか意識を失って大変な状況になっているのかが把握できず、通報の際に取得した位置情報をもとに現場まで出動して捜索をすることになります。新型コロナウイルスの広まりで、ただでさえ消防救急の現場は大変なことになっている状況で、貴重な人員を意味のない出動に浪費させるのは絶対に避けなければなりません。
もし、意図せず衝突事故検出機能が働いてしまった場合、以下のような行動を取るように心がけましょう。
- 自動で119番に通報する前なら、キャンセルのボタンをタップして通報を中止する
- 自動通報で119番につながった場合、電話に出た消防救急の担当者に「誤報なので救急車や消防車は必要ありません」と伝える
- あわてて電話を切ってしまった場合には、折り返し消防から状況確認の電話がかかってくるので、必ず電話に出て「誤報なので救急車や消防車は必要ありません」と伝える
- 折り返しかかってくる電話が面倒だからと、iPhoneの電源を切ったりしない
iPhone 14シリーズでは、「設定」→「緊急SOS」→「激しい衝突事故発生後に電話」の項目で衝突事故検出機能をオフにできます。機能の有用性を考えるとオンにしたままの方が安心できますが、周囲に人がいて万が一の転倒などに気づいてもらえる環境の場合は、事前に機能をオフにしておくのもよいでしょう。