オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSRIO)らの研究チームが、オーストラリアの海底で、多数の奇妙な深海生物を発見したと報告し、ネットで注目を集めている。

  • オーストラリアで奇妙な深海生物が発見され、ネット「こんなオッチャンおるよな」「めっちゃ目合う」

    「アカグツ」の新種と見られる生物。つぶらな瞳が可愛い

研究チームは、オーストラリアの海洋調査船RV Investigatorを用いて、オーストラリア西海岸に位置する「ココス(キーリング)諸島」と「クリスマス島」周辺の深海生物の採取を実施。船に搭載されている小型のトロール(底引き)網で、水深60メートルから水深5,500メートルまでを、順にさらっていたところ、多数の奇妙な深海生物が多数捕獲できたそうだ。同研究チームで、ビクトリア博物館(Museums Victoria)のティム・オハラ氏によれば「今回見つかった種の3分の1が新種の可能性がある」という。

  • ブラインドカスクウナギの新種と見られる生物。ゼラチン状の半透明の皮膚を持っている

発見された深海生物は、どれも奇妙な見た目をしている。例えば、「アカグツ」と呼ばれるアンコウ目の底生魚の新種とみられる生物だ。つぶらな瞳に、平べったく、大きな2本の足のように見えるヒレを持っている。この2本のヒレを使って海底を悠々と歩くのだそう。鼻先の小さな窪みには「釣り餌」を持っていて、それを動かして獲物を誘うのとのこと。さらに、ブラインドカスクウナギの新種と見られる生物も発見された。水深5キロメートルで発見され、金色の目を持ったゼラチン状の半透明の皮膚を持っている。

このほか、巨大な顎の前に小さな顔があり、胃が拡張可能で大きな餌を飲み込めるペリカンウナギや、柔らかい殻を持つヤドカリなど様々な奇妙な生物が発見された。

研究チームは「この航海で得られる研究成果は、オーストラリアの深海環境とそこに及ぼす人間の影響を理解する上で、非常に貴重なものとなるでしょう」とコメント。チームは、オーストラリア本土に戻ってから、採取された生物たちのDNA分析を行い、その正体の確認や新種の記述のための研究を進めるとのことだ。

ちなみに、同研究チームは深海生物の採取のほか、新しく海洋公園に指定された「ココス(キーリング)諸島」と「クリスマス島」周辺の海底探査を実施。詳細なソナーマッピングを行い詳細な3次元画像を作成。結果として、この2つの島は海底から約5,000メートルの高さにそびえる巨大な海山の2つの頂上であることが判明した。調査船がたどった1万3,000キロメートルの航路や、ココス(キーリング)諸島の3次元画像などはYouTube上で公開されているので、興味があればぜひ見てほしい。

ココス(キーリング)諸島の3次元画像

見つかった深海生物にネットでは「こんなオッチャンおるよな」「めっちゃ目合う笑」「無垢な瞳なのだ」「カワイイ…」などの声が寄せられた。