ヤマハは、完全ワイヤレスイヤホンのエントリー機「TW-E3C」を11月25日に発売する。耳への負担を抑える独自機能や、マルチポイント機能などを盛り込んでいるのが特徴。価格はオープンプライスで、店頭価格は11,000円前後を見込む。

  • TW-E3Cのカラーバリエーション。(左上から右に)ベージュ/ラテ、ブラック、ネイビーブルー。(左下から右に)グレー、グリーン/ピスタチオ、レッド/ラズベリー

楽器・音響機器メーカーならではの音作りの思想とアコースティックチューニングを投入し、「アーティストが音楽に込めた想いを表現し、聴く人の感情を動かす音(=TRUE SOUND)」を追求した、ヤマハの完全ワイヤレスイヤホンの新製品。

耳への負担を抑える独自技術「リスニングケア」や5種類のプリセットEQを搭載した専用アプリに対応し、音声通話用のMEMSマイクや、同時に2台の機器に接続するマルチポイント機能を搭載する。

外装にはトレンドを採り入れ、“さりげなく日常に寄り添う”カラーに仕上げた。ベージュ/ラテ、ブラック、ネイビーブルー、グレー、グリーン/ピスタチオ、レッド/ラズベリーの6色で展開する。

TW-E3Cの主な特徴

6mmのダイナミック型ドライバーを搭載。ドライバーユニットとノズルを音導管の同軸上に配置し、ノイズの原因となる障害物をなくして音を鼓膜へと届ける設計で、これにより「正確な音色(おんしょく)とヌケの良い中高域再生」を目指している。

ハウジング部は、ドライバー後部とノズル中央の2箇所に音響メッシュ付きの空気穴を空けている。ヤマハ独自のアコースティックチューニング技術を活かして、ハウジング内部の空気の流れを最適化。ドライバー後部の空気穴は、ハウジング内全体の空気量を調整することで低域と中高域の分離感を向上させ、「左右方向の音の広がりをしっかり感じられるサウンドイメージ」を追求した。

また、ノズル中央の空気穴で、ドライバー前面の空気の量をコントロール。磁気回路を見直して駆動力を高めたドライバーユニットと併せて、「タイトでダイナミクス感あふれる低域再生」を可能にしたという。

  • 内部構造と空気穴のイメージ

音量に応じて音のバランスを最適化する、ヤマハ独自の「リスニングケア」を導入。小さなボリュームのときほど低域と高域が聴こえにくく、不足しているように感じる人間の聴感特性や、リスニング環境における聴こえ方の違いに着目して、再生時の音量に合わせて音のバランスが最適になるように補正。過度な音量アップによる耳への負担を抑えるとする。

Bluetooth 5.2準拠で、対応コーデックはSBC、AAC、aptX Adaptive。左右のイヤホンに直接音声データを伝送し、音切れしにくくする左右独立伝送方式の「TrueWireless Mirroring」をサポートする。さらに低遅延な「ゲーミングモード」に対応し、スマートフォンやタブレットでゲームや動画を楽しむときに気になる、映像と音のズレを抑える。外の音を取り込みながら音楽と一緒に聴ける「アンビエントサウンド」機能も装備する。

  • 利用イメージ

音声収音用のMEMSマイクを左右各2基、計4基搭載。4マイクに届く音量や到達した時間の差を計算して音源の方向を推定し、正確に音声を収音する仕組みを備え、さらに音声と雑音を分離して通話相手にノイズを伝えないようにするクアルコムのcVc(Clear Voice Capture)機能も装備する。

2台のデバイスを同時にBluetooth接続するマルチポイント機能にも対応し、タブレットの動画を楽しんでいるときに、スマートフォンに着信があった場合でも、手動で切り替えることなく簡単に電話に出られるとする。

スマートフォン用アプリ「Headphone Control」で各種機能のオン/オフやバッテリー残量の確認などが行える。5種類のプリセットEQ(ENERGY / GENTLE / VOCAL / GROOVE / OPENNESS)から、聴いているコンテンツや好みに合わせて最適な音質に設定可能。手動で音質を調整することもできるという。

  • 「Headphone Control」アプリの画面イメージ

コンパクトサイズの本体は、IPX5相当の生活防水に対応。タッチセンサー式の操作部を備える。サイド部分にふくらみを持たせたデザインになっていて、耳(耳甲介腔)にフィットしてすぐに装着できるようにした。さらに付属のXS/S/M/Lの4サイズのイヤーピースでイヤホンの密閉性を高め、音質の劣化を防ぐ。

イヤホン単体で約9時間再生でき、充電ケース込みで最大約24時間音楽を楽しめる。充電ケースは丸みを帯びたデザインで、小さなカバンに入れられるサイズに仕上げた。重さは片耳5g、充電ケースは30g。

  • 耳にフィットするデザインを採用