11月8日夜に起こる「皆既月食」。今回は日本全国で観察でき、天候にもよるものの、国立天文台によれば「全国で条件よく見られる皆既月食」となる。18時9分から東の空で欠け始め、高度を上げながら19時16分に皆既食がスタート。86分間続き、食の最大は19時59分、20時42分終了。21時49分には部分食も終わる。

  • 皆既月食の様子。写真は2018年1月31日筆者撮影
    (キヤノン EOS 6D Mark II / タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD / 300mm・クロップ処理済み / F6.3 / 1/4秒 / ISO 5000)

皆既となった月は、「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる、赤黒い色に見える。国立天文台は「南西諸島では部分食の始まり時点での月の高度が低いが、多くの地域で月の高度がある程度高くなる時間帯に皆既食となり、観察しやすい」と説明している。次の皆既月食は、約3年後の2025年9月8日に発生する。

  • 国立天文台Webサイトより

  • 皆既月食の終わり。月食中は月の明るさが大きく変わるので、カメラで撮影するときはマニュアル撮影がオススメ。写真は2018年1月31日筆者撮影
    (キヤノン EOS 6D Mark II / タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD / 300mm・クロップ処理済み / F6.3 / 1/8秒 / ISO 800)

  • 国立天文台Webサイトより

なお、今回は月食の最中に、日本のほとんどの場所で月が天王星を隠す「天王星食」が起こる(小笠原諸島を除く)。潜入開始は全国で異なり、東京では20時40分53秒(48.4度)にスタート。出現開始は21時22分20秒(56.2度)。

天王星は約6等級で、薄い青色に見えるとのこと。非常に条件の良い空でも肉眼で見える限界の明るさなので、双眼鏡や望遠鏡などが必要になる。通常の満月であれば明るさに負けて見つけにくいが、多くの地域では天王星の潜入時に月が皆既食中で暗いため、見つけやすいとしている。皆既月食と惑星食が同時に見られるのは1580年7月26日以来、442年ぶり。

  • 国立天文台Webサイトより

ウェザーニューズの予報では、11月8日は北日本や北陸で雨が降り、雷雨のおそれもある。西日本や東日本の太平洋側は秋晴れで、夜は皆既月食の観測が楽しめるとのこと。最低気温が10度前後となるため、観測する場合は暖かい服装で出かける必要がある。

国立天文台や全国各地の公開天文台、科学館、ウェザーニューズなどでは、月食のライブ配信を実施予定だ。詳細は下記Webサイトを参照のこと。