米バーモント大学のBader Chaarani氏らの研究チームは、ビデオゲームをする子供と、認知能力の関連性に関する研究結果を発表した。医学誌「JAMA Network Open」で10月24日付で公開された。この研究で、ビデオゲームをプレイする子供の注意力や、記憶力が向上することがわかったのだとか。

  • ゲーム脳でよかった? 1日3時間のゲームが子供の認知能力を改善するという研究

    ゲームプレイが注意力や記憶力の向上に関連したそうだ

本研究は、脳発達と子供の健康に関連する最大の長期研究である「ABCD(Adolescent Brain Cognitive Development)研究」から、9歳および10歳の子供のデータを使用したそうだ。ビデオゲームを全くしないNVG群と、1日3時間(週21時間)以上プレイするVG群の合計2,217人の分のデータを収集。収集したデータを用いてNVG群と、VG群における注意力や、記憶力などの関連性を比較した。

結果としては、ビデオゲームをプレイすることは、注意力や記憶力を含む認知テストの成績向上と関連することが明らかとなった。つまり、ビデオゲームをプレイする子どもは、しない子供に比べて、注意力や記憶能力が向上したというのだ。さらに、過去3年間に週平均12.8時間ビデオゲームをプレイしたVG群の13人は、NVG群の13人と比較して前頭前野の活性化が大きかったそう。これは、VG群がビデオゲームにおける複雑な視覚的誘導を処理するのに必要な空間の注意力の増加に関連していると、同研究チームは分析している。一方で、ビデオゲームが子供のメンタルヘルスに与える影響は認められなかったという。

ただ同研究チームは、プレイしたビデオゲームの「ジャンル」に関する情報が含まれていない「ABCD研究」のデータでは十分ではないとしている。ビデオゲームには、アクションアドベンチャーや、シューティングゲームなどの様々なゲームカテゴリーがあり、それぞれの認知発達への影響は異なる可能性があるようだ。

「やりすぎ」は良くないという考えはなかなか捨てきれないし、子供がビデオゲームをプレイすることに関して親に尋ねれば、必ずと言っていいほど悪影響を懸念する声を耳にすることになるだろう。そういった認識を覆す今回の研究結果にネット上では、「ゲームが脳にプラスに働いているんだ!」「日本には、ゲーム条例とか何とかで子供の能力向上の機会を奪う地域があるという噂を聞いた事があります」「ゲームは悪じゃない!」などの声が寄せられた。