米Microsoftが10月25日(現地時間)に発表した2023年度第1四半期(2022年7〜9月)決算は、売上高が前年同期比11%増だった。売上高・利益ともにアナリストの予想平均を上回ったものの、PC需要の低迷に加え、ドル高の影響でクラウドサービスの伸びが鈍り、時間外取引に入って同社の株価は2%ほど下がった。

7〜9月期の売上高は前年同期比11%増の501億2200万ドル。前年同期の資産移転に関連した純投資所得税の調整によって、純利益は同14%減の175億5600万ドルだった。1株利益は2.35ドル。市場予想は売上高496億1000万ドル、1株利益2.30ドルだった。以下は部門別の売上高。

More Personal Computing

売上高133億3000万ドル。前年同期からほぼ横ばいだったが、Windows OEMが同15%減と前期に続き減速した。PC需要は弱く、10日にGartnerが発表した2022年7〜9月期の世界PC出荷台数(推定値)は6799万台で前年同期比19.5%減だった。昨年後半から続く巣ごもり需要からの反動に加えて、インフレによる生活コストの上昇で個人がPCの購入を控える傾向が強まっており、低迷が継続する見通しからPC関連のサプライチェーン全体で在庫調整が本格化している。

そうした中で、Surfaceは7〜9月に大きな新製品発表がなかったにも関わらず、売上高が前年同比2%増の伸びだった。また、Windows Commercial製品とクラウドサービスが同6%増だった。Microsoft 365の需要が伸びを牽引した。

ゲーミング事業の売上高は前年同期比4%増。Xbox Series Sの供給が安定し、Xboxハードウェアが前年同期比13%増だった。Xboxコンテンツおよびサービスは同3%減だった。Xbox Game Passサブスクリプションは伸びを維持したものの、サードパーティタイトルおよびファーストパーティタイトルのエンゲージメントとマネタイズが減少した。

Productivity and Business Processes

売上高164億7000万ドルで前年同期比9%増だった。コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高が同7%増。Office 365のコマーシャルシート数が14%増加し、売上高が同11%増だった。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスは同7%増。コンシューマ向けMicrosoft 365の契約者数は6130万人、前期から160万人の増加。

Dynamics製品およびクラウドサービスは売上高が前年同期比15%増。Dynamics 365は同24%増だった。

LinkedInの売上高は前年同期比17%増。LinkedInセッションは同24%の増加、エンゲージメントが過去最高だった。

Intelligent Cloud

売上高203億3000万ドルで前年同期比20%増だった。サーバー製品およびクラウドサービスは同22%増。Azureおよび他のクラウドサービスは同35%増だった。使用量ベースのサービスに対する強い需要が継続しているものの、ドル高で収益が目減りし、アナリストの予想(36%増)にも届かなかった。為替変動の影響を除くと同42%増だった。