タニタは10月18日、からだの衰えを見える化し、健康づくりのための目標設定とアドバイスまでを行う“次世代”ヘルスメーターの「FR」シリーズを発表。直販サイト「タニタオンライン」で先行予約受付を開始しました。
体組成計「FR-100L」・筋力計「FR-200L」・歩数計「FR-300L」がセットになった製品で、価格は110,000円。50~70代をターゲットに、11月1日から販売開始します。
「加齢による衰え防止に役立てたい」と開発
製品を紹介する前に、開発の背景を軽く紹介しましょう。高齢社会に向かっている日本の課題「平均寿命と健康寿命のかい離」(女性が12.07歳、男性が8.73歳。「厚生労働省健康寿命の令和元年値について」から)には、その要因の1つとして「フレイル」があります。フレイルとは、加齢により心身の活力(運動機能や認知機能)が衰えて弱った状態のことで、要介護状態になるリスクを高めます。
タニタによると、これまでフレイルを総合的に評価して、改善を促す機器やサービスはなかったとのこと。このフレイルが健康寿命を縮める要因であるため、今回タニタはフレイルの評価や防止に役立つ“次世代“ヘルスメーター・FRシリーズを開発しました。
次世代ヘルスメーターで何ができて、どんな生活改善や健康につながるのか? 具体的に見ていきましょう。
筋力計・体組成計・歩数計・アプリで健康を総合的に把握!
FRシリーズは筋力計「FR-100L」・体組成計「FR-200L」・歩数計「FR-300L」の3つが1セットになっています。
この3つの機器で計測した情報と、食事や生活習慣などに関する質問の回答を、スマホアプリ「TANITARING」で解析、独自指標「健康総合判定」で表示します。体型・食事についてのアドバイスと、筋肉・運動についてのアドバイスを計測ごとに行うことで、生活習慣の改善を目指しました。さらに、測定結果から導かれた、「フレイル」を食い止めるためのアドバイスも受けられます。
握力も測れる筋力計「FR-100L」
筋力計「FR-100L」では、握力と両腕の筋肉量が計測できます。握力測定時には、持ち手を握り、アプリの指示に従って左右2回ずつ測定。その中で最も高かった数値がデータとして残ります。
下側の持ち手は可動式になっており、広げてから、金属部分に触れるように両腕で持つと、腕の筋肉量が測れます。こちらもアプリの指示に従って短時間で測定可能。
数字を押して乗るだけの体組成計「FR-200L」
体組成計「FR-200L」では体重・体脂肪率(全身)・筋肉量・下肢筋肉量・全身の筋質点数(タニタが独自に定義する、筋肉の状態や組成を評価する指標)を測定できます。
天面部の手前側にある1~4のスイッチから、事前に登録した自分のアカウント番号を選び測定スタート。測定時はアプリが不要で、体組成計からの音声案内に従って測定します。測定後に、アプリ内の「更新」を押すと測定結果がアプリ内に反映される仕組みです。
入浴後の足が濡れている状態でも測定できますが、体温が高い状態では正確な数値が出ない場合があるため、入浴前の使用を推奨しています。また、毎日のルーティンに組み込むなどして、毎回同じ時間帯や体の状態で測定することが望ましいとのこと。
シンプルで見やすい歩数計「FR-300L」
歩数計「FR-300L」では歩数と「がんばり歩行時間・達成度」を測定。がんばり歩行時間は、ユーザーの歩行スピードから算出し、無理ない範囲で速度を上げた目標値で歩いた時間のこと。歩数などのデータは測定した日の夜にアプリへと送信されます。
アプリで計測データを分析、独自の健康評価指標も
これらの3機器で計測したデータを統合することで、SMI(骨格筋指数)も算出できます。加えて、生体情報や活動情報をスマホアプリ「TANITARING」で解析し、食事や生活習慣などに関する質問を行い心身の疲労・食事摂取の状況を判定。すべての測定データを組み合わせて、独自の新指標「健康総合判定」を表示します。
健康総合判定は、身体機能・筋力・活動量・心身の疲労・食事摂取の5観点から分析した評価です。測定結果はSからCまでの4ランク15段階(1~15点)で、心身の状態を可視化します。なお、アプリは発売時点ではAndroid版のみですが、今後iOS版も検討していく予定です。
グラフを交えたアドバイスがわかりやすい!
FRシリーズではさらに、入力した年齢や身体情報や計測結果に基づいたアドバイス機能を搭載。総合的なアドバイスのほか、体型・食事についてのアドバイスと、筋肉・運動についてのアドバイスがそれぞれグラフを交えながら表示されます。
50代以上の人をターゲットにしたFRシリーズ。専用アプリは文字が大きく、画面デザインもわかりやすかったです。体組成計・筋力計・歩数計の計測・記録にはすべてスマホ操作が必要になるほか、測定時の手順が少なくないため、スマホを使い慣れていない高齢者の方には、家族の協力が必要になる場合もあるかもしれません。ただ、計測・記録がルーティン化して慣れると、一人でも不自由なく使い続けられると思います。日々継続して使い、アドバイスに従っていくことで、フレイルの防止につながる製品だと感じました。