MM総研は10月5日、世界37の国・地域でiPhoneの販売価格を調査した結果を発表した。この調査は、9月16日に世界で発売となったiPhone 14シリーズを中心に、各国のアップルオンラインストアの価格を比較分析したもの。各国の価格は、アップルが販売価格を公表した9月12日時点の為替レートに基づいて円換算している。
調査対象としたのは、iPhone 14 128GBモデル、iPhone 14 Plus 256GBモデル、iPhone 14 Pro 512GBモデル、iPhone 14 Pro Max 1TBモデルのiPhone 14シリーズ4モデルと、2021年発売のiPhone 13 128GBモデルと、iPhone SE(第3世代)64GBモデルを合わせた計6モデル。
iPhone 14シリーズ
iPhone 14 シリーズ4機種の世界各国・地域の販売価格と日本国内の販売価格を比較したのが次のグラフ。日本における販売価格はいずれも日本以外の平均を下回り、調査対象国・地域内で最安だった。
調査対象のモデル別の詳細は下記のとおり。
iPhone 14 128GBモデル
iPhone 14 128GBモデルは119,800円の日本国内価格が最安で、中国(122,429円)、香港(125,436円)、台湾(126,818円)、米国(128,939円)と続く。最も高いトルコでの販売価格は239,454円。
iPhone 14 Plus 256GBモデル
iPhone Plus 14 256GBモデルは日本の149,800円から、香港(154,527円)、中国(155,440円)、米国(160,046円)、台湾(160,909円)と続く。最も高いのはトルコでの販売価格289,223円。
iPhone 14 Pro 512GBモデル
iPhone Plus 14 256GBモデルも194,800円の日本国内価格が最安で、以下は香港(201,800円)、米国(202,041円)、台湾(206,364円)、韓国(207,254円)という順番。最も高いのはこちらもトルコで、販売価格は368,454円。
iPhone 14 Pro Max 1TBモデル
iPhone 14 Pro Max 1TBモデルの日本国内価格は239,800円で、それに香港(247,255円)、米国(248,702円)、台湾(256,364円)、韓国(259,067円)と続く。最高値のトルコでは439,992円。
iPhone 13/iPhone SE(第3世代)
MM総研では2022年6月にもiPhone 13/iPhone 13 Pro Max/iPhone SE(第3世代)を対象として同様の調査を行っており、その際にもやはり日本国内での販売価格が最安値となっていた。その後、7月にアップルが価格改定を行い、日本での販売価格が2割ほどアップしたことでiPhone 13が調査対象内で4番目、iPhone SE(第3世代)が調査対象内で3番目の安さとなっていたが、今回の調査で再び最安となっている。
iPhone 13は、日本国内での128GBモデルの販売価格が107,800円。以下は、香港(109,073円)、中国(110,184円)、韓国(112,953円)、台湾(113,182円)、米国(113,386円)と続く。ここでも最高値はトルコで、販売価格は215,377円。
iPhone SE(第3世代)も同様に、今回の調査で62,800円の日本国内価格が再び最安値となっている。以下は米国(66,725円)、香港(67,255円)、韓国(67,358円)、台湾(67,727円)と続き、最高値のトルコは130,762円。
iPhone 14の価格と平均賃金の比率では世界の中位
調査レポートでは、iPhone 14の価格が平均賃金に占める比率をiPhone指数とし、国・地域ごとのiPhoneの購入のしやすさを比較している。この指数が小さいほどiPhone 14を購入しやすいということになるが、日本における指数は2.06%で18番目と、全体の中位になった。
指数がもっとも小さいのはシンガポールの0.80%で、以下米国(1.21%)、アラブ首長国連邦(1.25%)、ルクセンブルク(1.330%)、香港(1.332%)の順。もっとも高いのはインドの13.63%で、次いでフィリピン(10.89%)、ブラジル(9.16%)となった。
先ほどのiPhone指数とスマートフォン市場におけるiPhoneのシェアを掛け合わせたのが次の表。総じてiPhone指数が低い(iPhoneを購入しやすい)国・地域でシェアが高く、iPhone指数が高い国・地域ではiPhoneのシェアが低いという傾向がうかがえる。ただしiPhone指数1位のシンガポールと3位のアラブ首長国連邦でのシェアは10~20%で決して高いとはいえない。またiPhone指数が近い日本と韓国でシェアは大きくわかれているが、これは韓国でサムスン電子の人気が高いことが影響していると思われるなど、必ずしも購入しやすさだけがシェアを決める要因ではないようだ。