Sonosは9月14日、同社製サウンドバーなどと組み合わせて使える、円柱型サブウーファー「Sub Mini」を発表。これに合わせて、報道陣向けのブランドイベント「Feel More with Sonos」を開催し、実機を初披露しました。同社のホームシアター製品に触れた印象をお伝えします。
Sonosは米国発のオーディオメーカー。イベントでは、Sonos製品プログラム責任者であるジェフ・ダーダリアン氏からSonosブランド製品の紹介や、製品作りに重視している点などの説明がありました。
Sonosでは現在、「Arc」や「Beam」、9月14日発売の「Ray」(39,800円)といったサウンドバーと、ポータブルスピーカー「Roam」、「Move」、ワイヤレススピーカー「One」、「One SL」、「Five」を展開。サブウーファーには既存の「Sub」があり、よりコンパクトな「Sub Mini」(10月6日発売予定/64,800円)がラインナップに加わります。いずれも無線LANを活用したワイヤレス伝送をサポートしているのが大きな特徴です。
また、「体験が快適である」、「落ち着いたデザインとシンプルな操作性」、「設定が簡単」といった点を重視しているとしたうえで、中でもデザイン面では、部屋になじみやすく、ユーザーのサウンド体験における没入を妨げないという点に注力していると語りました。
Sonos製ホームシアターシステムを体感! Sub Miniのサウンドも初体験
ブランドイベント「Feel More with Sonos」ではいくつかの部屋を回り、各部屋に設置されたサウンドバーやリアスピーカー、サブウーファーを組み合わせながら音楽や映画を鑑賞。今回は、9月14日に発表されたばかりサブウーファー Sub Miniと、同日に発売されたサウンドバー Rayの感想をお伝えします。
Sub Miniは、現行機種Subの設計をベースに、コンパクトな円柱型デザインを採用したサブウーファー。密閉キャビネットに、カスタム設計した6インチのウーファー×2基を向かい合わせて設置してあります。中央に空間を設けることでフォースキャンセリング効果を生み出し、ノイズや歪みを抑えて、優れた低音域レスポンスをもたらしました。
また、高度なデジタル信号処理によって低音レスポンスを最大化することで、大型サブウーファーに匹敵する豊かな低音域を生み出すとしています。製品の詳細仕様は別記事をご一読ください。
Sub Miniは、BeamとリアスピーカーOneを組み合わせて映画を鑑賞。Beam単体の後に、Sub Miniを追加して聞くと、先ほど聞こえなかった低音がしっかりと聞こえるため、音が増えた印象。奥深い低音が強化されたことで映画の臨場感も一気に増えました。
RayはSonos史上最小サイズを謳うサウンドバー。高音域用のツイーターと、中低域を担うミッドウーファーを各2基搭載し、独自の音響構造に合わせてチューニングした4つのクラスDデジタルアンプを装備します。カスタム設計のウェーブガイドによる壁面反射を利用してサウンドを拡散し、音響処理プロセッサによって正確な空間表現が行えるようになりました。こちらも詳細仕様は別記事で紹介しています。
Rayのサウンドも実際に聞きました。聞いた環境は6~8畳くらいの比較的省スペースな部屋で、Ray単体でのサウンドと、リアスピーカーとして2台のOneと組み合わせた2通りを体験。Ray単体で女性ボーカルの曲を再生したところ、低域から高域までしっかりと聞こえるクリアなサウンド。テレビ周辺から、温かみのある音声がしっかりと広がっていく印象でした。
リアスピーカーOneと組み合わせてアクション映画を観たところ、テレビの前のみに広がっていた音場が、部屋全体を包み込むように拡大。映画の中での銃声や人の声がはっきりと聞こえるのはもちろん、音の前後左右の移動感が分かりやすく、実際に映像の中にいるような没入感が楽しめました。
このほか、ビデオメッセージやオリジナルコンテンツの公開もありました。映画監督である岩井俊二氏からのビデオメッセージでは、自身が手掛け、2020年に公開した映画『ラストレター』を例に、作品やその中でのサウンドについて思いなどを語りました。
Sonosとアーティスト集団Rhizomatiks(ライゾマティクス)がコラボレーションし、Sonosのサラウンドサウンドを表現したというオリジナルコンテンツ「Tokyo Mating Dance」(動画)も披露されました。ジェフ・ダーダリアン氏との対談の中で、Rhizomatiks代表の真鍋大度氏は、空間オーディオの見えない音を視覚化し、音の移動などをリアルに感じてもらえることをコンセプトのひとつとした作品だと話していました。