シオノギヘスルケアは4月23日、“ながら聴きで賢く脳を鍛える”とうたうオープンイヤー型イヤホン「kikippa(ききっぱ)イヤホン」を発表した。スマホで再生する音楽や音声に40Hzの振幅変調をかけ、記憶力や集中力を高めるといわれるガンマ波と同じ周期の音を発生させて脳を刺激するという。ガンマ波発生をオフにすれば、通常のイヤホンとしても使える。医療機器ではないので「認知症の予防に役立つ」などの効能はうたわないが、通勤や家事の時間を生かして脳を鍛えられるイヤホンとして売り込む。

価格は29,700円で、発売は5月8日。シオノギヘルスケアの直販サイトやAmazonなどのECサイト、家電量販店などで販売する。

  • ガンマ波と同じ周期の音を発生させて脳を刺激し、“脳を鍛える”とうたうオープンイヤー型イヤホン「kikippa イヤホン」

  • 展示用の什器には「音は脳で聴く」というキャッチコピーが

kikippa イヤホンは、シオノギヘルスケアとピクシーダストテクノロジーズが協業して開発した製品で、耳をふさがないオープンイヤー型を採用する。テレビなどに接続して使う据え置きスピーカータイプの「kikippa スピーカー」(実売価格は99,000円)に続く製品。

  • kikippa イヤホンと同じ仕組みを採用した据え置き型のスピーカー「kikippa スピーカー」

人間の脳波はアルファ波とガンマ波があるが、記憶や集中力に関係するとされるガンマ波(40Hz前後)は加齢などの要因により弱まることが報告されている。このガンマ波と同じ1秒に40回変動を繰り返す40Hz周期で音楽やPodcastなどの音声を変調して出力し、脳を刺激する仕組み。変調したサウンドは、独特の細かく震えたような感じに変わるが、ある程度慣れると違和感が軽減するという。変調のアルゴリズムは順次アップデートしていくが、アップデートには月額1,000円のサブスクの契約が必要。

  • 加齢などの要因により弱まるガンマ波を発生させ、耳経由で脳に届けようというわけだ

  • ガンマ波と同じ1秒に40回変動を繰り返す波を作り出し、音楽や音声を変調させる仕組み

  • kikippa イヤホンには専用の充電スタンドが付属し、使わないときにきれいに収納しながら充電できる

  • 装着したところ。シャープなデザインに仕上げており、シニア向けという印象はない

  • 音声の出力部

  • 音楽を高音質に楽しめるイヤホンとして仕上げている

スマホアプリを利用すれば変調の度合いを調整できるが、変調の度合いを最大に強くするモードはサブスクを契約しないと有効にならない。スマホアプリでは認知機能チェックの機能もあるが、サブスク未契約の場合は表示できる情報が簡素になる。

  • 変調の強度は5段階で変えられるが、「とても強い」などはサブスク契約者のみの特典となる

  • 認知機能のチェックも可能。詳細なデータの表示はサブスク契約者限定となる

  • 開発を手がけたピクシーダストテクノロジーズ 代表取締役社長COOの村上泰一郎氏(左)と、シオノギヘルスケア 代表取締役社長の中川ゆう子氏(右)