サムスン電子の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold4」「Galaxy Z Flip4」などの新製品が国内でも発表されました。新製品に一足早く触れる機会があったので、ここでは「Galaxy Z Fold4」のインプレッションをお届けします。ニュース記事やグローバル版のレビュー記事と合わせてご覧ください。

  • Galaxy Z Fold4

    折りたたむと細身のスマートフォンのようになる「Galaxy Z Fold4」

Galaxy Z Fold4は、折りたたんでスマホ、開いてタブレットという2種類の使い方ができる折りたたみスマートフォン。たたんだ状態だとスマートフォンとしては細長い縦横比ですが、Z Fold3よりも少し画面が広くなりました。

  • 開いた状態

    開くとタブレット

  • 横持ちしたところ

    横持ちすれば、少し画面の小さなタブレットとして使えます

「Galaxy Z Fold4」の外観と、折りたたみの様子

  • たたんだ状態のヒンジ部
  • 開いた状態の側面

    折りたたむと分厚いのが弱点と言えますが、開くとタブレットとしては薄型の厚みになります

基本的には今回の新モデルはマイナーバージョンアップで、完成度を高めたという感じですが、メインの広角カメラが50メガピクセルセンサーになり、ピクセルビニングにより集光性能が向上。実写では違いが分かりにくいですが、夜景撮影時のノイズ低減などで効果が期待できます。

  • カメラ部

    カメラはトリプルカメラ。広角カメラとして50MPの高解像度センサーを搭載しました

製品の特徴としては“開けば7.6型のタブレットになる”と表現しているものの、最後まで開ききらず、途中まで折りたたんだ状態で使うフレックスモードがZ Foldシリーズの真価でしょう。その機能としては従来通りですが、折りたたんでテーブルに置いて、見やすい角度で画面を確認したり、カメラを固定して夜景撮影や自撮りをしたりと活用できます。

  • フレックスモード1
  • フレックスモード2

    ノートPCのように角度を付けた状態で折りたためば、PCのようにテーブルに置いて画面を見たり、カメラを固定して撮影したりできます

  • フレックスモードで縦置き

    こんな縦置きも可能です

  • カバーディスプレイにライブビュー表示

    カバーディスプレイ側にライブビューを表示して自撮りをするといった使い方も可能

  • フレックスモード専用UI

    フレックスモードはYouTubeやNetflixなどのアプリで専用UIを搭載。カメラの場合、画面半分にコントローラーを表示し、フレックスモードでの撮影がしやすくなっています

従来通りSペンもサポート。手書き入力ができる折りたたみスマートフォンは唯一ということでこの機能は強くアピールされています。前モデル「Galaxy Z Fold3」で使っていたSペンはそのまま利用可能です。

  • Sペンの利用

    Sペンを使った手書き入力も可能。タブレットサイズなので描きやすくて使いやすいのがメリットです

Sペンを使って手書き入力。滑らかに書くことができます

前モデルからわずかに小型軽量化していますが、実際に持つ分には違いはあまり感じません。私は「Galaxy Z Fold3」のユーザーなので、本機を購入する必要はあまりなさそうですが、大きなアップデート点として物理SIMとeSIMのデュアルSIMをサポートした点が上げられます。デュアルSIMの利便性を考えると、使いやすい「Z Fold3」の進化版として、さらに使い勝手が良くなります。

もう1つの特徴はAndroid 12Lを搭載し、タブレットに適したUIを導入している点。特に画面下部に表示されるタスクバーは、アプリを簡単に起動できるだけでなく、よく使うアプリを中心にマルチウィンドウをより使いやすくするUIになっています。

  • タスクバー

    下部にあるのがタスクバー。ホーム画面下部に固定されたアプリのアイコンと最近使ったアプリが表示されています

タスクバーを使ってアプリを起動。ドラッグ&ドロップをすれば簡単にマルチウィンドウを使うことができます

グローバル版とキャリア版の変更点は少ないですが、FeliCaを内蔵しておサイフケータイに対応する点と、シャッター音が大音量化しているのが違いです。Galaxyは既存スマートフォンの中では最も音が大きいメーカーの1つだと思いますので、筆者としては正直もう少し音量を下げてほしいところです。

ディスプレイ開閉の耐久テストの展示。ヒンジ部は20万回の開閉に耐えるといいます