米NVIDIAが8月24日(現地時間)に発表した同社2023年度第2四半期(2022年5〜7月)決算は増収減益だった。前回の決算発表でロシア情勢やゲーム市場全体の減速を織り込んだ慎重なガイダンスを示していたが、市場の急速な冷え込みでそれを大きく下回った。この厳しい市場環境は8〜10月期も続く見通しで、次世代GPUの投入に影響する可能性が出てきた。

5〜7月期の売上高は前年同期比3%増の67億ドルだった。純利益はGAAPベースで6億5600万ドル(同72%減)、非GAAPで12億9200万ドル(同51%減)。NVIDIAが示していた5〜7月期の見通しは売上高81億ドル。予想との差が大きいことから、同社は8月8日に暫定業績値を公表していた。事業部門別の売上高は以下の通り。

  • ゲーミング:売上高20億4000万ドル(前年同期比33%減)
  • データセンター:売上高38億1000万ドル(前年同期比61%増)
  • プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:売上高4億9600万ドル(前年同期比4%減)
  • オートモーティブ:売上高2億2000万ドル(前年同期比45%増)

巣ごもり需要と仮想通貨の価格上昇にともなうマイニング需要で、1年前はビデオカードが深刻な品不足状態だったが、昨年後半から供給が改善。経済活動再開とともにPC需要が減速し始め、そこにインフレと金融引き締めによる景気減速が広がり、ビデオカードの販売が急速に鈍化した。さらに仮想通貨の価格下落でマイニング需要も縮小し、使われなくなった中古ビデオカードが市場に流れ込み、流通在庫がだぶついている。

ゲーミング分野の新市場開拓を計画

CEO Jensen Huang氏によると、NVIDIAはセルイン(顧客への出荷)が市場のセルスルー(顧客から消費者への販売)レベルを大幅に下回るように導いて、次世代製品の投入に備える。需給バランスを修正するために、チャネルパートナーが流通価格を調整できるプログラムを導入した。

Huang氏は、次世代GPUが現行世代のGPUと共存することを示唆したが、その準備段階である現行世代製品の在庫水準と需給バランスの修正が長引く可能性もある。同氏は「(減速したとはいえ)ゲーミング市場は強固であり、今後数カ月でこれを乗り越え、新しいアーキテクチャで来年に臨みます。来月のGTC(9月19日〜22日)で詳しく話すのを楽しみにしています」と述べた。このコメントからローンチ延期の可能性の指摘もあり、GTCの基調講演が注目される。

決算発表ではまた、CFOのCollette Kress氏がゲーミング事業の今後の成長分野について、NVIDIAのゲーミング技術によって開拓を計画している新セグメントがあることを明らかにした。詳細は不明であり、The VergeのSean Hollister氏はメタバースのゲーミングソリューション、そしてValveの「Steam Deck」(AMD APUを搭載)のようなハンドヘルド・ゲーミングPCの可能性を予想している。