アメリカ航空宇宙局(NASA)が、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が捉えた「木星」の写真を8月22日付けで公開した。オーロラや巨大な嵐がはっきりと写し出されており、神秘的だ。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、有名なハッブル宇宙望遠鏡の後継機として知られる。この宇宙望遠鏡のプロジェクトは、NASAが20年以上の歳月と1兆円を超える費用をかけて進めてきたもので、2021年12月に打ち上げられた。人間の目で視認できない、波長の長い赤外線をとらえることに特化しており、135億光年以上離れた宇宙を観測することができる。7月11日には、約46億光年先にある銀河団「SMACS 0723」のカラー画像を公開し、話題となっていた。
今回公開された画像は、赤外線を人間は視認できないため、近赤外線カメラ(NIRCam)からのデータを人工的に着色し、可視化したものだ。木星の北極と南極にあるオーロラは赤い色に、その周りにある黄色と緑色は、もやを表しているとのこと。また、地球3個分ほどもあるという巨大な嵐「大赤斑」が鮮明に映し出されている。大赤斑が白っぽく輝いているのは、多くの太陽光を反射しているからだそうだ。
木星の周辺も捉えた別の画像では、木星にかかるリングや、木星の衛星であるアドラステア、アマルテアが写し出されている。それらの背景の宇宙に写っているぼやけた斑点は銀河の可能性が高いとのこと。
今回の画像に対して惑星天文学者は「正直言って、これほど良いものになるとは思っていませんでした。」「木星の詳細を、リング、小さな衛星、さらには銀河と一緒に1つの画像で見ることができることは本当に驚くべきことです。」と述べている。