MAGNAROは「MAGNARO-Tigris」と「MAGNARO-Pisics」からなり、打ち上げ時には磁気の力により両衛星は接続されている。衛星には「磁気トルカ」(電磁コイル)が搭載されており、地球磁場と作用させて発生したトルクによってスピンさせ、安定させる仕組みだ。そして衛星の機上で自律的に姿勢と軌道の決定を行い、適切なタイミングで分離させ、編隊が形成されるという。
さらに、軌道上にわずかに存在する空気分子と衛星との作用により、空気抗力を発生させるとする。姿勢制御で衛星の正面面積を変え、空気抗力を調整することで編隊を維持するとした。これらの編隊形成や維持における軌道制御において、エンジンや燃料を使用しない軌道上実証実験を実施する計画となっている。
MAGNAROはエンジンや燃料を使用しないため、衛星内のスペースに余裕があることから、小型衛星であっても望遠鏡などのミッション機器を搭載することが可能だという。さらに、燃料切れを心配する必要がなく、より長期間の稼働を実現できることが期待されるとしている。
また、MAGNAROの研究開発にあたっては、宇宙工学における学生の教育にも力を入れる試みが行われたとする。MAGNAROでは単純に機器を購入し組み合わせたり、各種試験をすべて業者などに依頼したりするのではなく、教員の指導のもと、学生自らが電子基板といったハードウェアやソフトウェアなどを勉強して理解し、宇宙環境を考慮した上で設計、開発を行ったという。さらに、開発にあたっては試験の計画立案や予定管理などのマネージメントも学生が行うなど、研究と共に教育の一環として実施されたとしている。