それほど"鉄分"が多くなくても、旅先では電車を撮りたくなるもの。デザインや車両編成数が自分の地元では見られないから、という理由もあるでしょうが、やはり一番は「行き先」。どこで撮影したか記憶をたぐるきっかけになりますからね。
しかし、あとで写真を眺めると、行き先部分の表示が崩れていることがあります。行き先以外の写りがよくても、ガッカリしてしまうこと確実です。
行き先部分の表示が崩れる原因は、おそらく「シャッタースピード」です。最近の電車やバスの行先表示器にはLEDが使われており、人間の眼には同じ文字が表示され続けているように見えますが、実はそれなりのスピードで書き換えられています。その点滅間隔とシャッタースピードが合わないから、写真撮影したとき文字が崩れてみえるのです。
この問題の解決策は、行先表示器の点滅間隔よりシャッタースピードを遅くすることですが、iPhoneのカメラアプリの場合、シャッタースピードはフルオート(マニュアル設定できない)。だから明るい場所でシャッターを切ると、シャッタースピードが速く設定されてしまうため、行先表示器の表示が崩れる原因となります。
一方、暗めの場所ではシャッタースピードが遅く設定されます。ここに注目すると、晴れの日より曇りの日のほうが、日中より早朝や夕方のほうがシャッタースピードが遅くなるため、行先表示器を期待どおり撮影できる可能性は高くなります。
車両によって行先表示器の点滅間隔はまちまちですが、E231系などJR東日本の車両で試したかぎりでは、晴天時の撮影はほぼ失敗、薄暗い朝夕は高確率で成功という結果を得られました。うまく撮れた写真のシャッタースピードを写真アプリの情報画面で確認するなどして、自分なりのノウハウを蓄積してみては?