レノボはここ半年くらいで最新ノートPC「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」「ThinkPad X13s Gen 1」「ThinkPad Z」などを発表し、大攻勢に出ています。フラッグシップモデルThinkPad X1 Carbonは第12世代Coreプロセッサの搭載で刷新し、ThinkPad X13sは初めてQualcommのモバイル向けSoCを搭載する先進的なモデル。Z世代向けと銘打ったThinkPad Zも、サステナブルな素材の活用や型破りな仕様で殻を破ろうとしています。
ThinkPad主要モデルが大刷新! ARゴーグル「ThinkReality A3」も体験してきた
https://news.mynavi.jp/article/20220413-2320117/
「ThinkPad Z13 / Z16」実機を見てきた! 次の30年を見据える意欲作
https://news.mynavi.jp/article/20220624-2378065/
そんな新製品発表も一段落したのか、今回レノボが日本に構える国内の一大開発拠点「大和研究所」でメディア向けの説明会が行われました。上述した新モデルの紹介が行われたほか、施設の見学ツアーも実施。検査機器の様子を眺めたり、開発に携わったエンジニアの声を聞くことができました。
主要な3モデルについて紹介。キーワードは「カメラ」「バッテリー」「サステナブル素材」
見学に先立ち、新モデル開発にあたっての苦労やトピックの紹介が開発担当者からそれぞれ行われました。ざっくりダイジェストでまとめると、ThinkPad X1 Carbon Gen 10ではMIPI接続のWebカメラ開発に苦心。ThinkPad X13sではQualcomm SoCの搭載で圧倒的なバッテリー性能を実現したとのことで、ThinkPad Zではハプティックフィードバックのタッチパッドやレザー採用の天板について紹介されました。
ドキッとするほど過酷なテストでThinkPadはテストされている
説明会もそこそこに、併設されている試験施設ツアーに出発。どこかに移動するのかと思いきや、同じビルの違うフロアにあるというからビックリ。神奈川県横浜市のみなとみらいにそびえ立つ、とても綺麗なビルの中に試験施設も入居していました。
見学ツアーではThinkPadの各試験について、専任のエンジニアの方々にお話を伺うことができました。どれも印象的でしたが、特に印象的だったのはユーザーの声に耳を傾け、より厳しい試験項目を用意していた点。破損したユースケースを調査し、製品を改良してより壊れにくく丈夫な製品づくりに活かしていると言います。
-
揺れを作る機械。長時間の振動にさらされると基板のハンダに微細なクラックが生じ、故障の原因になるとのこと
-
防塵性能をチェックするブース。繊維や土埃を再現し、MIL-STD-810Fに準拠していることを確認します
-
検査機器に持ち上げられ、落下のときを待つThinkPad。実際にガチャーンと角から落下させるデモも行われ、テストとはいえ筆者の心胆を寒からしめました
-
こちらは落下した後のThinkPad。角からではなく、面でパーンと落とされていました
加圧試験の様子。点や面でグッと押し、パネルが割れたりしないかチェックしています
-
重さは企業秘密とのことですが、相当な重さ。一番上のダンベル形状のものだけでも強烈に重かったです
-
「踏んでみてください」と案内され、PCに乗る筆者。しかも360度開閉できる特殊なヒンジのYogaシリーズというのが恐怖です。もちろんディスプレイが割れることもなく、正常に電源が入っていました(真似しないでください)
-
ワイヤレス機能をテストするエリア。どこからWi-Fiが飛んできてもちゃんと拾えているかをチェックしています
-
このように電波のカバー範囲が図示されていました
-
デバイスから発生する音を検査するエリア。入り口を閉じると完全な静寂に包まれました
-
デバイスから発生する電波を検査するエリア。これをクリアすることで各国認証機関をパスし、全世界で販売できるようになるとのこと。ちなみに、鬼門なのがHDMI実装部だそう。ノイズ処理が大変らしいです
-
電波を検知するためのアンテナ。筆者の手に持っているカメラから電波が出ているようで、上の写真にあるディスプレイで検知されていました
-
研究所には見学者用なのか、いにしえの製品を陳列した博物館のようなコーナーもありました
-
筆者より古い「ThinkPad 700C」
-
今ではどのThinkPadもすっかりスリムになりましたが、往年の製品をしのぶ「お弁当箱」の展示もありました