クルマにいるときというのは、ただ乗っている状態ですか? 自分のiPhoneが「CarPlay」でクルマに接続されているのではありませんか? そうであれば、AirDropは利用できません。
AirDropは、BluetoothとWi-Fiの連携プレーによりファイル転送を実現するApple独自の技術です。送受信に使う端末の特定には低消費電力のBluetooth LE(BLE)、接続確立後は高速通信が可能なWi-Fiを利用し、動画のようなサイズの大きいファイルでも一瞬のうちに転送を完了します。
だから、AirDropを利用するときにはBluetoothとWi-Fiの両方がオンでなければなりません。2台の端末が直接(ピア・ツー・ピアで)通信を行うため、Wi-Fiアクセスポイントに接続する必要はなく、クルマの中など外出先でも利用できますが、あらかじめBluetooth/Wi-Fi両方のスイッチをオンにしておく必要があります。
しかし、CarPlay利用時は事情が異なります。CarPlayをワイヤレス接続で利用するときには、iPhoneのWi-Fi回線はCarPlayに占有されます。他のWi-Fiを使う機能/サービスは利用できなくなり、AirDropを使おうとしても「CarPlayにワイヤレス接続しているときは、AirDropは使用できません」というメッセージが現れ、AirDropの利用を拒否されます。クルマの中でAirDropを利用するには、CarPlayのワイヤレス接続を解除するしかありません。
なお、かつてインターネット共有(テザリング)使用時はAirDropを利用できませんでしたが、iOS 13以降そのような制限はなくなっています。CarPlayについても、今後の機能改善を期待しましょう。