あんなこと書かなければよかった、恥ずかしい誤字脱字が見つかった...などとメールの送信後に後悔した経験がある人は多いはず。送信後に別人のアドレスだったことに気付いた、という宛先のミスもありがちです。しかし、インターネットメールはいちど送信すると取り消しできないもの、諦めるしかありません。
そんなメールの常識が変わりつつあります。2022年秋公開予定のiOS 16に収録されるメールアプリには、送信を取り消す機能(Undo send)が追加されるのです。ただし猶予期間はわずか10秒、うかうかしていると取り消しできなくなりますが、送信直後の"ちょっと待った!"が可能になったことは大きな進歩といえるでしょう。
2022年6月現在、送信取り消しの猶予期間が10秒ということ以外の情報は明らかにされていません。WWDCで紹介された資料から判断するかぎり、メールの送信直後に「Undo send」というボタンが現れ、それが消える前にタップすることでメール送信をキャンセルできる、とのことです。
なお、あわせて発表されたiOS 16のメッセージアプリでは、送信から15分以内の取り消し/編集が実現されています。世界中に点在する社外メールサーバとのやり取りが前提となるインターネットメールとは異なり、Appleが運営するシステムで完結するしくみだから可能な機能ですが、今後は送信取り消し時間に余裕がないという理由でメールアプリの利用を避けるユーザが増えるかもしれません。
ところで、先行してメールの取り消し機能を備えているGoogleの「Gmail」では、メールの送信取り消し可能な期間を5、10、20、30秒から選択できます。同機能はiOS版アプリでも利用できるので、10秒では足りないと考えるのならGmailの利用も現実的な対応といえるでしょう。