米MicrosoftがWebブラウザ「Internet Explorer(IE)」のサポートを2022年6月15日で終了させる。同社はこれをIEの「正式引退」としており、対象となるWindowsプラットフォームではサポートの終了だけではなく、最終的にIEへのアクセスが無効化される。IEの利用者は注意が必要だ。

IEのサポート終了の対象は、Windows 10 Home/ Pro/ Enterprise/ Education、そしてWindows 10 IoT。Windows 8.1は対象ではないが、そちらは2023年1月10日にOSの延長サポートが終了を迎えるため、Windows 10やWindows 11へのアップデートを進めなければならない。Windows 11にはIEが搭載されておらず、IEに依存した機能や動作には「IEモード」で対応している。

サポート終了後、Microsoftは「リダイレクト」と「Windows Update」の2ステップでIEを引退させる計画だ。

  • Microsoft Edgeにリダイレクト

    Microsoft Edgeへのリダイレクトを通知するメッセージの例

リダイレクト期間では、IEを開くと「Microsoft Edge」にリダイレクトするメッセージが表示され、クリックして継続するとIEの代わりにEdgeが開き、IEモードにアクセスできる。この期間はクオリティ優先で、不測のトラブルから混乱が広がらないように一部からロールアウトして段階的に拡大し、数カ月をかけて完了させる。次のステップではWindows Updateを通じて、IEが廃止されるWindowsを搭載したデバイスでIEを無効化し、IEのアイコンを削除する。

IEは1995年に登場、Windows 95とともに急速にシェアを伸ばし、一時は90%を超えていたが、Web標準が重視されたHTML5時代になってIEの独自仕様が敬遠されて徐々に利用者を失った。その後、Windows 10でのデフォルトブラウザとしてMicrosoft Edge(EdgeHTMLベース)をリリース、「ブラウザ技術の分裂を減らしてWeb開発者の負担を減らす」という理由で、2018年12月にChromiumベースでEdgeを再構築すると発表。2020年1月に現在のChromiumベースのEdgeをリリースした。EdgeHTMLベースのEdgeは2021年3月9日にサポート終了になったが、IEについては、IEにしか対応していないサイトを運営する企業や行政機関が残っており、これまでサポートが継続されてきた。