オトバンクは6月9日、65歳以上の要支援高齢者を対象とした研究で、オーディオブックの聴取と運動のデュアルタスクが、標準的な認知トレーニングとして行われる計算課題と運動のデュアルタスクと同等の脳血流活性作用がみられたと発表した。
今回オトバンクでは、関西福祉科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 重森健太教授、生長会ベルピアノ病院 リハビリテーション室と共同で、高齢者の認知症予防トレーニングに関する研究を実施。共同研究は、デュアルタスク課題のバリエーションを増やすため、オーディオブックの認知トレーニングとしての活用可能性を探る目的で行われた。
研究では、65歳以上の要支援高齢者を対象に、標準的な認知課題(計算)と運動、オーディオブックの聴取と運動、それぞれのデュアルタスク中における前頭葉ワーキングメモリ領域の脳血流反応を比較。また、「運動のみ」の脳血流反応も比べた。
「運動のみ」「オーディオブック×運動」「計算課題×運動」の3群の脳血流反応を比較した結果、オーディオブックと計算課題を活用したデュアルタスクは同等の脳血流反応が認められたという。
これによりオーディオブックによるデュアルタスクの有効性が考えられ、 認知症予防のトレーニングにおける新たなツールとしても期待できるとしている。 同件に関する研究は、日本早期認知症学会で発表されたほか、保健医療学雑誌での論文掲載、および「第21回日本早期認知症学会」のシンポジウムでも取り上げられた。
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