米Appleは6月6日(現地時間)、Apple Watchの次期OS「watchOS 9」の概要を発表した。2022年秋に提供予定で、対応機種はApple Watch Series 4以降(Apple Watch SEを含む)。
ワークアウト機能を強化。トライアスロンやランニングフォームの認識に対応
スマートウォッチの主力機能として、ワークアウト(トレーニング)の記録や睡眠/心電図などのライフログ機能の重要性が年々増している。
watchOS 9ではワークアウトアプリが更新され、運動強度のモニタリングに役立つ「心拍数範囲」の設定が可能になるほか、Apple Watchの側面にあるデジタルクラウンを回して情報表示を切り替え、運動中でもさまざまな指標を確認しやすくなる。
また、トライアスロン選手向けの「マルチスポーツ」モードを追加。モーションセンサーを利用し、スイミング/サイクリング/ランニングの各パートを自動で切り替えて記録する。
ランナー向け機能としては、歩幅や接地時間、上下動を確認できる「ランニングフォーム指標」を追加。プールでのワークアウトでは、ビート板を使った運動も認識できるようになる。
睡眠ステージや心房細動の記録を強化
日常生活におけるライフログ機能では、まず睡眠記録を強化する。「睡眠ステージ」という項目が加わり、加速度センサーや心拍数センサーのデータを基に、レム睡眠、コア睡眠などといった睡眠の深さを判定し、時系列で記録する。
Apple Watchには心電図機能があり、日本でも2021年に解禁された。watchOS 9では、脳卒中などにつながるおそれのある心房細動の履歴表示が改良される。また、米国ではiPhone/Apple Watchのヘルスケア機能を通じて、薬の飲み忘れを防ぐ服薬管理機能も提供される。
その他のアップデート
新OSの提供にあわせて、文字盤のデザインも追加。グレゴリオ暦と太陰暦の関係を表現した「ルナー」、アーティスト・Joi Fulton氏による「プレイタイム」、クラシックなタイポグラフィを強調した「メトロポリタン」、星図と雲のデータを表示する「アストロノミー」が加わる。
このほか、通知表示の改善、QWERTYキーボードの日本語対応などがアップデート内容に含まれる。また、身体障がい者向けのアクセシビリティ機能として、iPhoneからApple Watchを操作できるミラーリング機能が追加される。
Appleは開発者向けイベント「WWDC22」を6月6日から開催しており、watchOS 9のほか、iPhone向けの次期OS「iOS 16」、Apple M2チップを搭載した新型「MacBook Air」などが発表されている。