続いて、ベネッセコーポレーションでUdemyの法人向けマーケティングの責任者を務める古島和弥氏は、Udemyの活用事例を語った。

  • ベネッセコーポレーション 社会人教育事業部 Udemy Business マーケティング責任者 古島和弥氏

    ベネッセコーポレーション 社会人教育事業部 Udemy Business マーケティング責任者 古島和弥氏

Udemyとは、米国を発祥とするC to C型のオンライン学習プラットフォームだ。ここから派生したUdemy Businessは、Udemy上のコンテンツの中から一定以上の評価を得ている質の高い講座を学び放題となる法人向けのサブスクリプション型サービスだ。法人向けとしてAPI(Application Programming Interface)による連携やSSO(Single Sign On)でのログインなどにも対応している。

  • Udemy Businessのサービス概要

    Udemy Businessのサービス概要

もはや「人材育成あるある」と言っても過言ではないだろうが、会社が研修費用を負担するだけでは社員のモチベーション維持にはつながらず、学びが長続きしない場面は多いはずだ。同社も顧客から動機づけに関する相談を受ける機会は多いようだ。

そこで古島氏は、Udemy Businessを有効に活用していると思われる導入企業の例を紹介していたので、本稿では2社を取り上げたい。

1社目は富士通だ。富士通は単にサービスを導入するだけではなく、定期的に上司と部下が一対一で話をする1 on 1制度の中でも活用しているという。Udemy Businessは今後の社員の勉強を指示するためではなく、部下の受講履歴などを上司が参照してキャリアパスの支援や成長の確認をするために利用されている。

  • 富士通のUdemy Business活用事例

    富士通のUdemy Business活用事例

2社目は三菱UFJ銀行だ。同行は人材のデジタルリテラシーの底上げを目的としてUdemy Businessを導入している。Udemyプラットフォーム上で提供されるさまざまな教育コンテンツに加えて、自社オリジナルのコンテンツを作成して同プラットフォーム上で展開しているそうだ。同行で実際に使われているシステムをベースとしたオリジナルコンテンツとなっているため、身近な具体例からITの仕組みを学べる。

さらに、同行ではデジタル認定制度を開始し、報奨金も設けている。取得する資格の数や難易度に応じて金銭的なインセンティブを設定したことで、Udemy Businessの利用人数や学習時間が大幅に増加したとのことだ。

  • 三菱UFJ銀行のUdemy Business活用事例

    三菱UFJ銀行のUdemy Business活用事例

古島氏がUdemyを有効に活用してリスキリングを促せているとして紹介した企業の共通点は、手当たり次第にDXに着手するというよりもむしろ、自社の強みを生かした明確な勝ち筋が見えている点だ。また、同氏は学ぶ機会を提供するだけにとどまるのではなく、社内のキャリアパスと対応して自発的な学びを促す仕組みが重要だと語っていた。

さらに、社員の意識変革として、学ぶきっかけ作りと学びが社内に広がる文化作りに注力している企業が多いという。