富士フイルムは5月31日、オンラインで製品発表会「X Summit OMIYA 2022」を開催し、その中で新カメラボディ「X-H2S」を発表した。「Xシリーズ」第5世代の幕開けとなる製品で、7月14日発売予定。価格はオープンプライス。
現行比約4倍の信号読み出し速度を実現した裏面照射積層型センサー「X-Trans CMOS 5 HS」を搭載し、現行比約2倍の処理速度を実現した画像処理エンジン「X-Processor 5」を組み合わせ、静止画・映像の両方でXシリーズ史上最高性能を発揮するというフラッグシップモデル。最速40コマ/秒のブラックアウトフリー高速連写や6.2K/30pでの動画撮影、最大7.0段のボディ内手ブレ補正、CFexpress Type B対応のデュアルスロットを装備し、プロの幅広い撮影ニーズに応えるとしている。
X-Trans CMOS 5 HS搭載。X-Pro1比で36倍も高性能
センサーに第5世代となるX-Trans CMOS 5 HS(HSはHigh Speedの意)を搭載し、APS-C初の積層構造を採用して高速性能を大きく高めた点が特徴。信号処理回路を大幅に拡張し、新しいA/D変換方式の搭載で現行比4倍の高速読み出しを実現した。これにより40コマ/秒のブラックアウトフリー連写(AF/AE追従)、EVFでの120fps表示、4K/120pのハイスピード動画撮影に対応するほか、ローリング歪みもシネマカメラ級に抑えたという。有効画素数は約2,616画素。
X-Processor 5搭載。微細化で低消費電力化・高性能化を実現
画像処理エンジンにも第5世代となるX-Processor 5を搭載し、センサーの高速性能に対応。低感度での解像度向上や好感度でのノイズ抑制を実現したほか、HEIF形式での保存や4:2:2 10bit Apple ProResでの動画記録もサポートする。
AF技術を新開発。動物や鳥、車、電車、飛行機など被写体検出機能を搭載
センサーと画像処理エンジンの刷新により、AF精度を大きく向上している点もポイント。AFアルゴリズムは新規開発し、特に動体撮影向けに抜本的に改良。動く被写体への予測AFや、小さい被写体を捕捉する性能を大幅に改善したという。新しくディープラーニング技術を活用した被写体検出機能も搭載しており、人の顔や瞳だけではなく、動物、鳥、クルマ、バイク・自転車、飛行機、電車の検出をサポートする。
F-Log2を新搭載。多様な映像制作ニーズに応える
動画撮影機能の強化も図られている。6.2K/30Pや4K/120P 4:2:2 10bit、4K/120pなど用途にあわせたさまざまな映像記録をサポートするほか、新しくダイナミックレンジを14+stopまで拡張した「F-log2」を搭載。新しい放熱構造を採用しており、25度環境のコールドスタートで4K/60pの映像を連続で240分記録できるという(バッテリーグリップ「VG-XH」を装着し、3個のバッテリー使用時)。
ボディも刷新! X-H1より小型・軽量化
ボディには前モデルと同じく右肩に液晶パネルを搭載しており、深いグリップでしっかりホールドできるように配慮。背面モニターはバリアングル仕様で、開くと別売りの専用冷却ファン「FAN-001」を装着できるネジ穴が用意されている。ボタンはしっかり指で押しやすいゴムに変更されており、前面のフォーカスモード切り替えレバーがファンクションボタンに変わった点も特徴だ。
EVFは完全に新規設計で、全て非球面レンズを採用した新しい光学系を搭載。576万ドット/120fpsの極めて高い表示性能を備え、0.8倍のファインダー倍率と24mmのアイポイントで過去最高の性能を実現しているという。
専用の別売りアクセサリーとして、バッテリーを2つ装填できる縦位置バッテリーグリップ「VG-XH」や、有線LAN端子を備えてテザー撮影やFTP転送機能を搭載するファイルトランスミッター「FT-XH」、本体ボディに装着して用いる冷却ファン 「FAN-001」、各種端子を保護するカバーキット「CVR-XH」を用意する。
- レンズマウント:FUJIFILM Xマウント
- 撮像素子:APS-CサイズX-Trans CMOS 5 HS(有効画素数約2,616万画素)
- 映像エンジン:X-Processor 5
- 記憶媒体:CFexpress Type B×2
- ファインダー:EVF(約576万ドット)
- 背面ディスプレイ:162万ドット
- 手ブレ補正:5軸 最大7.0段
- バッテリー:NP-W235
- 本体サイズ:W136.3×H84.6×D92.9mm
- 重さ:660g