アンプモデラ―、アンプシミュレーターなどと呼ばれる、人気のアンプサウンドをモデリングしたシステムが人気だ。実物を買うよりも手軽、かつ安価に同等のサウンドが手に入れられるだけでなく、曲調や参加バンドのカラーに合わせてアンプごと変えていきたいという欲張りニーズにも応えられるからだ。今回は、そんなアンプモデラ―の中でも話題となっている「NUX Amp Academy(NGS-6)」を入手したので早速試してみたいと思う。
さまざまな用途を想定したアンプモデラ―
2022年5月に発売が開始されたNUXの「Amp Academy(NGS-6)」。激戦区でもある、アンプモデラ―、アンプシミュレーターのジャンルに堂々と投入されたペダルユニットだ。
チャンネルA(クリーン系)に「Vintage」「Classic」「Modern」、チャンネルB(クランチ系)に「Brown」「Red」「Iridium」の6つのジャンルにそれぞれ2種類ずつのモデリングアンプが登録されており、それぞれNUX独自のTSAC-HD(WHITE-BOX algorithm)によりリアルな再現力を持たせている。またこのジャンルでよく使われるサードパーティー性のIRデータのロードも可能で1024種類のキャビネットIRが搭載可能だ。
これらのアンプはA/Bフットスイッチによって、クリーン系、クランチ系を使い分けられる。本体のトグルスイッチと併用することで、先ほど記述したA、Bそれぞれ3つのジャンルから1種類ずつを踏み分けられ、SCENEフットスイッチにはノイズゲートやエフェクター、適用するIRデータ、EQ、センドリターン、リバーブなどをブロック化したものを3パターン登録しておくことができる。
つまり、A/Bフットスイッチ、SCENEフットスイッチによって、かなりのサウンドバリエーションを使い分けられる。あらかじめ本機と接続したPCで細かい設定を行っておけば、録音時だけでなくライブでも実に心強い存在になってくれるのも魅力だ。
ちなみに、細かなセッティングはUSBケーブル接続によりPCで管理することになるが、そのままUSBオーディオインターフェイスとしても使用可能なほか、DIポートもあるのであらゆるスタイルの卓録にも対応。近年のギタープレイの多様な楽しみ方に合わせて、様々な次元に対応できるマルチデバイス的なところも併せ持つ、サウンドメイクの中核的なペダルユニットが「Amp Academy(NGS-6)」なのだ。
直感的なサウンドメイキング
本体に用意されているのは8つのコントローラーと、要所に採用されているトグルスイッチが目に入る。コントローラーノブは、選択しているアンプのパラメーターを変更するのに使うのはすぐに理解できる。フロントパネルにあるトグルスイッチはA/Bそれぞれのチャンネルの3種類のうちどれを選ぶかを指定し、SCENEトグルスイッチはメモリーしている3つのバンクを指定するのに使うものと覚えれば簡単だ。誤操作を防ぐためか、トグルスイッチはコントローラーノブの合間に配置されているので、曲中ではなく、曲間にかがんで操作することになるだろう。
背面にはインプット、アウトプットのほかインサートジャックも採用されていて、専用のTRS Yケーブルでセンドリターンにエフェクターなどをインストールすることができる。DI GND LIFT、IR OUTのトグルスイッチも用意されているが、これはそれぞれDIのノイズ発生時の出力調整やIRブロックのオンオフを指定するときに使う。
このペダルユニットのキモとなるUSBポートはCタイプとなっているがケーブルは別売りとなっているので注意が必要。本機は足元で、PCはデスクの上と考えるとUSB Cケーブルは長めのものがよいだろう。
そして忘れてはいけないのがPCの準備だ。NUXのオフィシャルサイトへ行き、最下層からドライバとなる「NUX AUDIO Driver」(サイトにはNUX ASIO Driverと表記されている)と管理ソフトウェアの「NUX AmpAcademy Editor Software」を入手してインストールしておこう。
ちなみに2022年5月現在、ドライバがV3.29.0、管理ソフトがV2.4.7となっており、筆者の環境ではWindows10だと普通に動くが、Windows11だとドライバがうまくインストールできない。別のWindows11環境で試せたわけではないので、固有の現象である可能性もあるが、おそらく早い段階で対応してくれると思うので、うまくインストールできないという方がいたら参考にしていただきたい。