MMD研究所は5月19日、中古スマホの所有者を対象に行った「2022年中古スマホに関する調査」の結果を公表した。調査結果によれば、2022年4月の中古スマホ所有率は11.6%で、2020年調査の6.1%から約2倍に増加。新品のスマートフォンは91.0%%から84.5%となり、6.5ポイントの減少となった。

この調査は、予備調査としてスマートフォンを所有する18~69歳の男女10,000人に現在利用しているメイン端末の購入・入手方法などを尋ね、「中古スマホ」と回答した人のうち500人を対象に本調査を実施している。

予備調査で現在利用しているメイン端末の購入・入手方法を尋ねた設問では、「新品のスマートフォン」という回答が84.5%(2020年4月の調査から6.5ポイント減)、「中古スマホ(修理・整備品も含む)」が11.6%(5.5ポイント増)、「友人・家族からスマートフォンを譲り受けた」が3.3%(0.7ポイント増)、「その他」が0.7%(0.4ポイント増)という結果だった。

  • メイン端末の購入・入手方法

    現在利用しているメイン端末の購入・入手方法(比較対象は2020年4月調査)

また、2016年の調査からの中古スマホ所有率の推移をみると、この2年の伸びが大きいことが見て取れる。

  • 中古スマホ所有率の推移

    中古スマホ所有率の推移。それぞれの調査の間隔が一定ではないことに注意

全体としては新品での購入が大半であるとはいえ、中古スマホの比率は着実に増加している。その背景には、コロナ禍で家庭の消費支出を抑制する傾向があること、大手キャリアの認定中古品販売がはじまるなど中古スマホ市場が整備されてきていること、スマホ性能向上スピードの鈍化に伴う最新製品需要の停滞などがあると思われる。

また、予備調査では、以前に利用していた携帯電話・スマートフォンの処分方法も訪ねている。全体としては「自宅に保管している」が52.4%で過半数を占めている。また「現在所有しているのが初めてのスマートフォン」という回答が12.8%あり、全体の71.2%が売却/譲渡/廃棄などの処分をとくに行っていないということになる。

  • 携帯電話・スマートフォンの処分方法

    以前メインで利用していた携帯電話・スマートフォンの処分方法

なんらかの形で以前に利用していた端末を処分している人のうち、もっとも多いのが「機種変更の際に通信会社の下取りサービスを利用した」というもので、それに次ぐのが「携帯電話買取店へ売却した」というもの。このふたつを足すと全体の24.4%となる。こういったルートで下取り/売却された端末が、選別/整備のうえで中古スマホ市場で販売されているわけだ。

なお「現在所有しているのが初めてのスマートフォン」という回答について、10代で29.9%と大きい割合を占めているのは当然として、20代~60代までまんべんなく一定の割合を占めているのは興味深い。また10代では、「家族・友人に譲った」という回答が5.4%あり、全体の2.1%の2倍以上となっているのも特徴的だ。

中古スマホ所有者に端末を購入した店舗/サイトを尋ねた質問では、「キャリアのオンラインサイト(認定リユース品)」が13.6%でトップ。やはりキャリア認定の安心感は大きいようだ。ただ全体としては「ハードオフ」「ブックオフ」「ソフマップ」といったスマホに限らず幅広く中古品の販売を手掛けている業者を利用したという回答が多い。中古スマホを専門としているサービスも、「ゲオモバイル」「エコたんショップ」「イオシス」などの名前が挙がっている。個人間売買も、「ヤフオク!」「メルカリ」「楽天ラクマ」などで全体の1割ていどを占めている。

  • 中古スマホを購入した店舗/サービスサイト

    中古スマホを購入した店舗/サービスサイト

中古スマホを購入した理由としては、「新品より価格が安いから」が36.2%で圧倒的に多い。「コレクションのため」という回答が4.4%あるが、これは複数回答のために副次的な理由が挙げられたものと思われる、純粋にコレクションのために購入するという人は多くないだろう。

  • 中古スマホを購入した理由

    中古スマホを購入した理由

これまでの中古スマホ購入回数は、「今の端末が初めて」という人が全体の約7割。「今回で2回目」(14.8%)よりも「3回以上購入したことがある」(15.4%)のほうが若干多く、なんどか中古スマホ購入をためした結果「もう今後は中古スマホでいいや」となる層が少なくないことがうかがえる。

  • 中古スマホの購入回数

    中古スマホの購入回数

調査概要

  • 調査期間:2022年4月21日~4月24日
  • 有効回答:予備調査10,000人、本調査500人
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:予備調査スマートフォンを所有する18歳~69歳の男女(予備調査)、中古スマホ所有者(本調査)
  • 設問数:予備調査13問、本調査5問