シャオミの「Redmi Note 10T」は約6.5インチの大画面ディスプレイを搭載し、5Gや防水、おサイフケータイに対応しながら、3万円~3万円台半ばとお手頃価格が魅力のスマートフォンです。昨年ソフトバンクから発売された「Redmi Note 9T」の後継機種にあたりますが、今回はソフトバンクだけでなく、MVNOや家電量販店などのオープン市場でも販売されています。
シャオミのオープン市場向けのスマートフォンで、防水&おサイフケータイに対応したモデルはこれが初めてとのこと。同社のスマートフォンに興味を持ちつつ今一歩手が出なかった人にも、選びやすい製品になっているのではないかと思います。
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これから始まる梅雨の時期も安心の、防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) に対応した、シャオミ「Redmi Note 10T」
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従来モデルはおサイフケータイ非対応がネックで躊躇していた人も多かったのでは? 本機はMVNO/量販店モデルでもFelicaが使えます
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サイズは約高さ163mm×幅76mm×厚さ9.0mm、重さ約198g。液晶ディスプレイということもあってそれなりに厚み&重さがあります
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背面には指紋が付きにくいつや消しの樹脂素材を採用。カラーはソフトバンク向けがナイトタイムブルー(写真)とアジュールブラックの2色。オープン市場向けはレイクブルーを加えた3色展開です
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角が丸い2.5Dガラスを採用するなど、ぎゅっと握りやすい工夫も。背面につながる樹脂の筐体とディスプレイのガラス部分との間にわずかに段差があり、いい感じで指がかかります
本体の両側面。右側に音量キーと、電源ボタン兼指紋認証センサーを搭載。1つの動作で起動&ロック解除ができます。指紋センサーのダブルタップで任意のアプリを起動したり、2度押しでカメラを起動することもできます
5G対応/液晶ディスプレイ搭載が「Redmi Note 11」との違い
ところでシャオミからは、つい最近「Redmi Note 11」というスマートフォンも発表されています。製品名が似ている上に、10より11の方が新しい型番なので混乱してしまいますが、「Redmi Note 11」は5G非対応で有機ELディスプレイを採用。一方こちらの「Redmi Note 10T」は5G対応で約6.5インチ/フルHD+のTFT液晶ディスプレイ(2,400×1,080ドット)となっています。一般に液晶よりも有機ELの方がコントラストが強く、くっきり見やすい印象ですが、本機の液晶画面は視野角が広くてクリア。明るく見やすいので、よほど見比べない限りは不満は感じないと思います。数値が高いほどちらつきや残像が少なく、スクロールなどの表示がなめらかなリフレッシュレートは、最大90Hzをサポートしています。
大きなディスプレイのメリットは、一度に表示できる情報量が多いこと。シャオミのスマートフォンに採用されている、Android 11をベースにした独自OSの「MIUI 13」には、そのメリットが生かせる「フローティングウィンドウ」という機能が用意されています。これは、画面切り替え(マルチタスク)画面から、対応するアプリをミニウィンドウで重ねて表示できるというもの。また大きいディスプレイは片手で操作しにくいのが難点ですが、画面を左右下に縮小できる「片手操作モード」も利用できます。
「MIUI 13」の画面切り替え(マルチタスク)画面では、起動中のアプリをタイル状に俯瞰できます。フローティングウィンドウに登録したアプリを起動すると、気軽にマルチタスクが可能に。ニュースで見かけた地名を地図で検索する、メールにギャラリーから写真を添付するといったシーンで便利に使えます
デュアルカメラ構成だが多様な撮影が可能なカメラ機能
カメラは、ディスプレイ内にピンホール型に配置されたフロントカメラが約800万画素。背面には約5,000万画素(F値1.8)のメインカメラと、主にポートレート撮影に使用する約200万画素(F値2.4)の深度カメラという、シンプルな構成になっています。「Redmi Note 11」のような超広角やマクロカメラがないので、狭いスペースで後ろに下がれないケースや、花などの被写体にぐっと寄りたいときはやや不自由さを感じますが、スナップ撮影を楽しむには十分に満足のいくカメラという印象。シーン自動認識やオートHDRが効いているので、何も考えずにシャッターが切れます。保存されるデータサイズは大きくなるものの、50メガピクセル(最大8,000×6,000ドット)の高解像度写真が撮れる「50M」や、シャッタースピードを落として明るく撮れる「夜景」モードも用意されています。
スナップ写真
50Mモード
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50Mモード(高解像度)
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50Mモード(高解像度/拡大)
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50Mモード 比較用(標準)
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50Mモード 比較用(標準/拡大)
50Mの高解像度モードはやや暗くなるので、十分な明るさのあるところで使う方が良さそう。部分拡大しても十分に見られる画質です
ズーム
ポートレート
逆光
夜景モード
AI
性能はこのクラスとして標準的、大容量バッテリで長時間使えるのが心強い
SoCは5G対応ではエントリー向けの「Snapdragon 480 5G」で、メモリー&ストレージはRAM4GB、ROM64GB。microSDカードは1TBまで対応しています。処理性能をチェックするためのベンチマークテストを試みましたが、なぜか「3D Mark」が動作しなかったので「Geekbench」と「PCMark」の2つを試しました。5G対応のエントリー向けモデルとしては、標準的なスコアといった感じでしょうか。確かにアプリの起動時などキビキビとはいかないところもありますが、それもハイエンドモデルと見比べてわかること。単独で使っていてストレスを感じることはあまりありませんでした。なお、ゲームをプレイする場合は「ゲームターボ」というブーストができる設定も利用できます。「PUBG MOBILE」もプレイしてみましたが、特に問題なく遊べました。
「PCMark for Android Benchmark(Work 3.0 performance)」のスコアは7,494、「Geekbench 5」のスコアはSingle-Coreが513、Multi-Coreが1,644
モバイル通信の対応周波数はソフトバンク版とオープン市場向けで若干異なり、ソフトバンク版はTDD-LTEでAXGPをサポート。オープン市場版はFDD-LTEでドコモが使用するバンド19をサポートしています。5Gはsub6のみで、ミリ波には非対応。試しにソフトバンクのSIMを使って、同社の5Gエリア内でテストしてみたところ、700Mbps超えの速度を確認できました。
バッテリーは5,000mAh。写真を撮りまくったり、ゲームをプレイしたりとそれなりに頻度高く使用した日も、翌日の夜まで2日間はたっぷり使うことができたのでバッテリー持ちは悪くないと思います。ソフトバンクの基準に則した連続通話時間は約3,000分。18Wの急速充電にも対応しています。ただしACアダプターやUSB Type-Cケーブルは同梱されていないため、別途用意する必要があります。
最近はMVNOでも5Gに対応するサービスが増えてきています。利用する料金プランにもよりますが、これから2年、3年と使うなら5G対応は必須でしょう。ただ5G対応のスマホは多くの周波数帯をカバーすることもあってバッテリーを消費しやすいのがネック。その点、5,000mAhの大容量&急速充電対応は心強いです。
見やすい大画面、防水、おサイフケータイをお手頃価格で……と謳うスマホは多く、はっきり言って3万円台は今や激戦区ですが、「Redmi Note 10T」はその中でも十分に戦っていけるポテンシャルがあると感じました。特に「MIUI」がマッチすれば、使い勝手のいい一台になると思います。
Redmi Note 10T 基本仕様(SIMフリー版)
- OS:MIUI13(Android 11ベース)
- CPU:Qualcomm Snapdragon 480 5G
- 内蔵メモリ:RAM 4GB/ROM 64GB+microSD 最大1TB
- ディスプレイ:約6.5インチ FHD+(2,400×1,080ドット、リフレッシュレート90Hz)
- 通信方式 FDD-LTE:B1/2/3/4/8/12/17/18/19/26/28、TDD-LTE:B38/39/40/41(2,545-2,650MHz)/42、5G NR:n3/n28/n77/n78
- SIM:nanoSIM/eSIM
- アウトカメラ:メイン約5,000万画素、深度カメラ約200万画素
- インカメラ:約800万画素
- Wi-Fi:IEEE 802.11a/b/g/b/ac
- Bluetooth:バージョン5.1
- バッテリ容量:5,000mAh
- 防水/防塵:IPX5、IPX8/IP6X
- 生体認証:側面指紋認証、AI顔認証
- その他の機能:NFC/Felica対応
- インタフェース:USB Type-C
- サイズ/重さ:約W76×H163×D9.0mm、約198g