KDDI(au)の3G通信サービス「CDMA 1X WIN」がいよいよ本日3月31日で終了。既に各所で伝えられているように、VoLTEという高音質通話サービスに対応していないauケータイや一部のスマートフォンが今後使えなくなります。

  • auケータイ「G11」。一緒にau 3Gサービス終了を見届けるつもりだったが、ついにスマホに機種変した

筆者がふだん使っているのは、もちろんスマートフォン。au以外の回線も含めて複数台の端末を使い分けていますが、会社や役所などに届け出ている番号の端末は、auケータイ「G11」のままでした。

さよなら、G11

G11は旧ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズから2011年春モデルとして登場した、スライド式のフィーチャーフォン。KDDIのデザインプロジェクトから生まれた、懐かしの「iida」ブランドの製品です。「W53S」や「Cyber-shotケータイ W61S」といった、ソニーらしい機能性や操作性を備え、キャッチーなデザインも特徴的だった“ソニエリケータイ”を愛用していた筆者ですが、シックなG11の佇まいに惚れ込み、長らく行動を共にしてきました。いつ入手したか今となっては覚えていませんが、2011年の夏頃にはもうメイン回線のケータイとしてガンガン使っていた記憶があります。

ちなみに、同年10月には「iPhone 4S」がauからも登場しています。こちらは筆者が初めて手にしたiPhoneで、発売後すぐに入手。一時はG11とiPhoneで2つのau回線を契約していました。その後、auが取り扱う「iPad mini」の4G LTE対応モデルとG11の2台持ちをしていたこともありましたが、このときはiPhone 4Sの回線をiPad miniに譲ったのだろうか……もう忘却の彼方です(さすがに3回線契約はしていなかったハズ)。

現在残しているau回線は筆者がまだ学生だった2007年秋から使い続けているので、かれこれ14年半契約していることになります。愛機G11に特に不具合はなく、古い機種ながら予備バッテリーも含めてまだまだ十分実用に耐え、小傷が増えても壊れる気配は一切なかったので、音声通話専用で使っていました。

「せっかくなのでau 3Gサービス終了の瞬間を一緒に見届けようじゃないか」という気持ちもあったのですが、ご存じのように2022年3月31日までに機種変更しなかった場合、同年4月1日に自動解約もしくは一時休止となるという報道が。メイン番号が使えなくなるのはさすがに困るので、ついに3Gケータイからスマートフォンへの機種変更を決断しました。

  • 2022年3月の3Gサービス終了が近づくにつれて、通知郵送物のサイズや表記が大きくなっていった(もちろん仕事柄よく存じ上げております)

ようこそ、Pixel 6

auでは、CDMA 1X WIN対応のauケータイや、au VoLTE非対応の一部のスマートフォンを利用しているユーザーに向けて「無料交換機種」を用意しています

筆者もその中にあったストレートケータイ型の「INFOBAR xv」を機種変候補として考えていましたが、2月の終わり頃までには3つのカラーバリエーションすべての在庫がauオンラインショップから消え、ひっそりと販売終了に。“ひとつの時代が終わった”感がありました。

INFOBAR xv以外に、もうひとつ候補として考えていたのが、Google製スマートフォン「Pixel 6」。以前取材で一緒になったライター氏がPixel 6を使っており、魔法のような日本語文字起こしの実力を目の当たりにして「これはぜひとも日々の取材で使いたい」と思っていたのです。

  • G11の現役引退とともにやってきた「Pixel 6」(カインダコーラル)

より画面が大きく望遠ズーム撮影機能も強化した「Pixel 6 Pro」の存在も気にはなりましたが、国内ではSIMフリー版とソフトバンク版のみで、auでは扱いがありません。個人的にはスマホは小さければ小さいほどうれしいですし、スマホカメラに強いこだわりがあるわけではないので、au版Pixel 6で不足はないだろうと考えました。

なお、iPhoneは私物と会社支給のものが1台ずつ既に手元にあるので、機種変候補には最初から入れませんでした。3台もiPhoneを持ち歩くのは大変ですし(といいつつ、日々4〜5台くらいスマホを携行してるわけですが)。

割安プランのためにauショップへ

回線が3Gから5Gになるので、料金プランもガラッと変わります。

これまではauケータイ向けの「プランEシンプル」で月々2,000円程度、少し通話した月も3,000円を超えないくらいで収まっていたのでおサイフに優しかったのですが、スマホに変えるとなるとデータ通信をまったく使わないわけにはいかないので、最低3GBくらいのデータ容量は欲しくなります。

が、5Gスマホ向けのプランで価格を抑えようと「ピタットプラン 5G」を選ぶと、1GBまで抑えた場合でも月々3,278円(2年契約N適用時、家族割・auスマートバリューなし)から。ひとり暮らしなので家族割は必要なく、auスマートバリューも加入しないとなるとだいぶ割高感があります。学生の頃は家族割に入る意味もあった(し、実際入っていた)のですが……。

格安MVNOサービスへのMNPという選択肢もなくはなかったですが、もうしばらくはauを使うつもりなので「もっと月々の料金を抑えられる方法はないかな……」と探していたところ、ありました。auケータイからの機種変更など、一定の条件を満たすユーザー向けに、最初の1年間だけ月々990円(au PAY カードお支払い割・スマホスタート1年割適用時)で使える「スマホスタートプラン(フラット)5G/4G」です。

実は今回、3Gケータイの機種変にあたってオンラインでの申し込みを進めようとしていたのですが、スマホスタートプラン(フラット)は料金の選択肢に現れなかったので「auのWebサイトには掲載されているのにナゼ選べない?」と首をひねっていたのでした。同プランは実店舗(auショップなど)に来た人向けのようですが、昨今のコロナ禍もふまえてオンラインで機種変更・プラン変更を完結させたいニーズは確実にあると思いますので、「実店舗でしか選べない割安プランが存在する」ことへのモヤッとした印象は拭えません(本記事ではその是非は置いておきます)。

  • スマホスタートプラン(フラット)5G/4Gの概要

  • 小さく書かれていた「注3) 『au PAY カードお支払い割』が適用されていない場合、2ヵ月間税込-1,100円/月割引となります。」という但し書きが気になって電話で問い合わせたところ、既に終了した「スマホスタートプラン(フラット)2ヵ月無料キャンペーン」の適用条件の名残であるという回答だった。紛らわしいと感じたのは筆者だけだろうか

ともあれ、3月半ばに最寄りのauショップに足を運び、無事に3G→5G回線への移行とPixel 6への機種変更を完了させました。3Gケータイからの機種変ということで機種代金を大きく割り引く「3Gとりかえ割」が利用でき、ポイントなどもフル活用することで、82,695円のPixel 6を半額程度で入手できたのはありがたかったです。

これまでドコモやソフトバンク、楽天モバイルと、新規契約で回線を増やすことはあっても、「実店舗で機種変更する」という機会がほぼなく、11年ぶりのフィーチャーフォンからの機種変手続きはちょっと新鮮でした。「今のauショップではタブレットで来店受付から契約内容の説明までこなすんだな」とか、「故障紛失サポート(726円・5G対応端末の場合)はオプションだけどほぼ必須扱いなのね」などなど。

機種代金は一括で支払ったので、月々の料金はもろもろのオプション込みでも引き続き2,000円台をキープできそうでひと安心。データ容量は3GB/月で、5分以内の国内通話なら何度でも無料というのもうれしいところです。au PAY カードは持っていないので月110円の割引は受けられませんが、少額なのでそこは目をつむることにしました。

なお、スマホスタートプラン(フラット)は2年目以降の月々の料金は2,288円に上がる(スマホスタート1年割として適用される月1,188円割引が終わる)ということなので、そのタイミングが来たら改めてau回線を継続するかどうか考えようと思います。

3G終了後の“身の振り方”を考えておこう

3Gサービスについては今回のKDDI(au)に続き、ソフトバンクが2024年1月、NTTドコモが2026年3月末に終了することを予告しています。

筆者のように「3Gサービス終了のときを手持ちのケータイとともに迎える」人はかなり稀だと思いますので(筆者はそのつもりだった)、「あと2年(もしくは4年)は残ってる」と油断せず、今のうちから契約している携帯電話会社に契約状況を確認したり、3G回線ユーザー向けの割引等各種施策について情報を集めたりして、“身の振り方”を考えておくと良いでしょう。