auの3G携帯電話サービス「CDMA 1X WIN」が2022年3月31日をもって終了します。誰に関係する話なのか、対象機種をまだ使っている場合はどうすればいいのか、あらためて整理しました。

  • auの3Gサービスが2022年3月31日をもって終了する

    auの3Gサービスが2022年3月31日をもって終了する

4月1日から3Gケータイでは通信できなくなる

携帯電話・スマートフォンの通信方式はおよそ10年周期で変わっており、各社が使える電波(周波数帯)には限りがあるため、新しい世代のサービスを広げるためには古い世代のサービスを終了して置き換えていく必要があります。電波の送信を停止することを「停波」と呼びます。

3Gの停波を予定しているのはauだけではなく、ドコモ(FOMA)は2026年3月末、ソフトバンク(SoftBank 3G)は2024年1月下旬に終了予定です。3G以前でも同じような新陳代謝が行われており、ちょうど10年前の2012年3月末はドコモの2Gサービス「mova」が終了した日でした。

3Gが停波すると、お持ちの3Gケータイで電話をかけたりメールを送受信したりといった通信は一切できなくなり、携帯電話としての役目は果たせなくなります。ただし通信以外の機能は動くので、電話帳やメール、写真などの保存済みのデータを確認することはできます。もし停波までに買い替えが間に合わなかったとしても、大切なデータを突然失うわけではない点はご安心ください。

  • 使用できなくなる機種の一例(CA007/S006/X-RAY/G'zOne TYPE-X)

    使用できなくなる機種の一例(CA007/S006/X-RAY/G'zOne TYPE-X)

3Gが終わる=ガラケーが無くなる、ではない

4Gや5Gに移り変わった今、スマートフォンで最初期の3G機種を10年以上使い続けているという方はほとんどいないと思います。おそらく、3G終了日まで使い慣れた機種を大切に使ってきた方の多くは、二つ折りやスライド式のフィーチャーフォン、いわゆる「ガラケー」ユーザーでしょう。

3G終了を知っていても買い替えられない理由として、(4Gや5Gの)スマートフォンへの買い替えに抵抗があるという声もありますが、「3G終了=ガラケー終了」というのは実は誤解。4Gでもフィーチャーフォンの使い勝手を残した機種が用意されており、これまでとそう変わらない使い方ができます。

内部のシステムが異なるため「EZアプリ」は使えないこと、メーカーや機種の選択肢が少ない(エントリーモデルが中心)などいくつかの注意点はありますが、慣れや業務上の理由などで物理ボタンでの操作を好まれる方にとって、今後も同じように使っていけることは安心できる点ではないでしょうか。

ちなみに、販売終了後も耐久性の高さなどから農業・水産業の現場で重宝され、アウトドア好きを中心に根強いファンも多いタフネスケータイ「G'zOne」も、2021年12月に4Gケータイ「G'zOne TYPE-XX」として復活しました。

  • 4Gになって生まれ変わった「G'zOne TYPE-XX」

    4Gになって生まれ変わった「G'zOne TYPE-XX」

4Gスマホの一部にも影響があるので注意

3G終了と聞けば当然3Gユーザーにしか関係ない、自分は4Gを使っているから大丈夫……とスルーしてしまった方も要注意。実は一部の4Gスマートフォンも4月1日から使えなくなります。

「VoLTE」という技術が導入された2014年冬モデル以降の機種であれば、データ通信も音声通話も4Gで行っているので問題ありません。しかし、VoLTEが始まる前に発売された4G初期のスマートフォンはデータ通信のみ4Gに対応しており、音声通話は3Gを使っているのです。

SOL26、SCL24などのような型番の3文字目が“L”の機種はVoLTE非対応のため、3Gユーザーと同様に買い替えが必要です。

iPhone 7などの3G通話もVoLTE通話もできる例外機種に関しては、VoLTEを無効にして3G通話で運用している場合、4月1日時点では音声通話のみ不可、データ通信のみ可能という状態になります。しかし、4月末までに非VoLTE設定でのデータ通信も順次停止されるため、このような使い方をされている方はお早めにVoLTE設定をONにしてください。

VoLTE非対応の機種をお使いの方には、3G契約者と同様に機種変更(無料交換)を案内するダイレクトメールなどが送付されているはずです。また、3G契約はメインブランドのauにしか存在しませんが、VoLTE非対応SIMはサブブランドのUQ mobileにもあるので要注意。同じ電波を使うUQ mobileのVoLTE非対応SIMも同じく3月いっぱいで使えなくなります。

  • VoLTE非対応の4Gスマートフォンも使えなくなる(画像はXperia Z3 SOL26/GALAXY Note Edge SCL24)

    VoLTE非対応の4Gスマートフォンも使えなくなる(画像はXperia Z3 SOL26/GALAXY Note Edge SCL24)

4月以降はどうなってしまうのか

4Gや5Gへの契約変更をしないまま、3G停波の日を迎えてしまったユーザーにとって、「サービスが終了したら強制的に解約されて、長年使ってきた電話番号やメールアドレスを失ってしまうのではないか」という不安があると思います。結論としては経過措置があるため、すぐに適切な対応を取ればまだ間に合います。

4月1日になった時点で残っている「CDMA 1X WIN」契約回線とUQ mobileのVoLTE非対応SIMカードは自動解約となりますが、どちらも電話番号とメールアドレスが一時保管されます。6月30日までに4G/5Gの再契約を行えば、元の番号を引き継いだ状態で復活できます。

auのVoLTE非対応機種を使っている場合は、4月1日時点で解約ではなく自動休止という扱いになります。こちらも同様に、VoLTE対応の機種を購入するか中古端末の持ち込みなどで用意して、利用再開の手続きを行えば復活します。手続きの期限は同じく6月30日までとなります。

  • 契約種別に応じた今後の対応

    契約種別に応じた今後の対応