タカラトミーは3月8日、モーターを内蔵した電動ヨーヨーと、スマホアプリ上のARエフェクトを組み合わせて楽しめる新感覚のデジタルトイ「MUGENYOYO(ムゲンヨーヨー)」を発表しました。発売日は5月26日で価格は5,940円。ヨーヨー本体のカラーは黒。メディア向け体験会からレポートします。

  • MUGENYOYOの開発を手がけたタカラトミーの山﨑正彦氏(左)、ヨーヨー世界チャンピオンの三浦元さん(右)

  • MUGENYOYOのヨーヨー本体にはバッテリーとモーターが内蔵され、駆動時は赤く点灯

ヨーヨーにARエフェクトをかぶせると……

MUGENYOYOは内蔵する高性能なマイクロモーターで回転を維持するため、手首の力が弱い女性や子どもでも扱いやすい電動ヨーヨー。初心者でもトリック(技)にすぐ挑戦できます。ヨーヨー本体が回転を検知すると自動的にLEDが光り、プレイをクールに演出してくれるのもポイントです。

本体にはNFCチップが組み込まれており、スマホと連動する「Speed Tracking AR技術」を用いたアプリ「MUGENYOYO」で遊べるようになります。MUGENYOYOアプリの初回起動時はユーザー登録して、スマホのNFCを使って自分のヨーヨーとシンクロ(ペアリング)します。シンクロすれば準備完了です。

  • NFCでヨーヨーを認識させます

次回からのMUGENYOYOアプリ起動時は、画面中央をタップすると画面がカメラに切り替わります。切り替え直後はインカメラが起ち上がるので、自分が撮影者になって別の人を撮るときはリアカメラに切り替えます。

  • 画面中央をタップするとアプリスタート

MUGENYOYOアプリのメイン機能は、スマホカメラで撮影したプレイの様子に多彩な効果(ARエフェクト)を重ね合わせた動画を保存するというもの。アプリ上ではこのARエフェクトを「グラフィックス」と呼んでいます。ヨーヨーのLEDの動きをリアルタイムで追従して描画します。

【動画】体験会場でヨーヨーの技を披露する、ヨーヨー世界チャンピオンの三浦元さん。動画の後半はMUGENYOYOアプリで録画したもの(MUGENYOYOアプリ上では音声は保存されません)
(音声が流れます。ご注意ください)

最初に選べるグラフィックスは5種類。プレイしてレベルが上がるにつて、使えるグラフィックスが増えていく仕組みです。レベルが1つ上がるごとに1つ解放といった形ではなく、レベルがいくつか上がると数種類のグラフィックスが増える仕様になっています。

MUGENYOYOアプリで撮影しながらプレイすると、cdc(ケイデンス値)、いわゆる経験値がたまっていき、一定の数値に達するとレベルアップ。cdcはヨーヨーの動きや速度などによって数値が変化します。

  • レベルアップで新しいグラフィックスを獲得!

現在、レベルアップで解放されるグラフィックスは40種類以上が用意されていて、今後もアップデートで増えていく予定です。

  • 獲得できるグラフィックスは40種類以上

このレベルアップはNFCで登録したヨーヨーのみが対象になりますが、撮影時のグラフィックスは自分以外のユーザーのヨーヨーにも適用されるので、複数人で並んでヨーヨーをプレイするのを撮るとかなりにぎやかです。

【動画】別のグラフィックスを適用して撮影。動画の後半はMUGENYOYOアプリで録画したもの。グラフィックス(ARエフェクト)のかかり方がよくわかります
(音声が流れます。ご注意ください)

また、cdcはデイリーでユーザーのハイスコアも表示します。ハイスコアが24時間で消えるのは、ゲームセンターの人気ゲーム機でハイスコアを競う雰囲気を思い出しますね。日々のランキングに挑戦するのが面白そうです。

  • ランキングはMUGENYOYOで遊ぶ全ユーザーの記録から集計されます

作成した動画はスマホに保存してSNSで共有したり、TikTokにもカンタンに公開したりできます。特にTikTokとは技術提携しており、動画を作成したときアプリ画面にTikTokのボタンを表示。そこからTikTokアプリを呼び出して音楽やコメントを付けるなどして動画を完成させ、TikTokにアップロードして楽しめます。

モーターで回り続けるので、女性や初心者でも遊びやすい!

タカラトミーは「ビデオゲームなどのデジタルな遊びと、トミカなどの手触り感のあるフィジカルな遊びを融合した交差地点に未来の遊びが存在する」と狙いを定め、新規事業に取り組んでいます。新規事業では、デジタルとトイとエンターテイメントを融合した「デジトイメント(Digitoyment)」というコンセプトを打ち立てました。そのコンセプトに沿った第一弾製品として開発したのが、アナログのヨーヨーにデジタル性とエンターテイメント性をミックスした「MUGENYOYO」です。

開発を主導したタカラトミー NEXTビジネス本部の山﨑正彦氏は、開発で苦労した点について次のように述べます。

「左右のバランスを調整するところです。バッテリーやモーターなど、左右均等にしづらいパーツを用いながら、数グラムさえずれないよう何回も試作機を作りました。当社のプラレールやゾイドで用いられている、ギアレーションの技術で培ったノウハウが生きています」(山﨑氏)

アプリの力だけでは実現できない、まさにデジタルとフィジカルを融合したトイなんですね。ヨーヨー世界チャンピオンの三浦さんは、「モーターで回り続けるので、投げるときに手首の負担が小さく、女性や子どもでも普通のヨーヨーより長く遊びやすいと思います。ぜひ楽しんでください」と語ってくれました。