米Intelが2月17日(現地時間)に開催した投資家向け説明会で、GPUブランド「Arc」の製品ロードマップをアップデートした。デスクトップ向けのグラフィックスボードの出荷を2022年第2四半期に開始。また、「Project Endgame」というコンピューティングサービスを発表した。
同社は昨年8月にコンシューマ向けグラフィックスの新ブランドとしてArcを発表。今年1月に「CES 2022」において、Xe HPGアーキテクチャをベースとした第1世代「Alchemist」のモバイル向けが第1四半期に出荷開始になることを明らかにしていた。
Intelは毎年2億ユニット以上のグラフィックスを統合したプロセッサを出荷している。さらにディスクリートGPUを用意することで、ゲーミングなど拡大するGPU性能を求めるニーズに応える。グラフィックス統合プロセッサの大きなインストールベースが同社の強みであり、そこでAlder Lakeプラットフォームから「Deep Link」というテクノロジーを用意した。プロセッサ統合グラフィックスとディスクリートGPU(Arc)を連動させ、コンテンツ制作、ゲーム、プロダクティビティといった様々なワークロードで求められるパフォーマンスや効率性を引き出す。
第1四半期のモバイル向けに続いて、第2四半期にデスクトップ向けアドインカードの出荷を、そして第3四半期にワークステーション向けアドインカードの出荷を開始することを投資家向け説明会で明らかにした。2022年にIntelのディスクリートGPUの出荷数は400万ユニットを超える見通し。
そしてAlchemistに続く「Battlemage」(2023〜2024年)と「Calestial」(2024年以降)で、最上位の性能を求めるエンスージアストのニーズに応える。また、Battlemage世代で、Alder Lakeの後継となるMeteor LakeのコンピュートタイルでArcの「Tile GPU」が導入され、今日のディスクリートGPUのパフォーマンスと統合グラフィックスの効率性を兼ね備えた性能を得られる。「統合型やディスクリートといった表現が不可能な新クラスのグラフィックスです。そして、それはTileアーキテクチャが我々にもたらしてくれる戦略的優位性のほんの始まりに過ぎません」とシニアバイスプレジデントのRaja Koduri氏。
「Project Endgame」は、"XPUコンピューティング"サービスとして、ユーザーや開発者にArc GPUへのアクセスを提供する。2022年後半の提供開始を予定している。Intelの半導体プラットフォームとEndgameの組み合わせによって、同社とPCプラットフォームがメタバースを先導する存在として引き続き価値を発揮し続けられるとしているが、投資家向け説明会ではサービスを公表したのみで、内容や目的など詳細は明らかにしていない。