NECは2月3日、ビジネス向けモバイルノートPC「VersaPro UltraLite」シリーズの新モデルとして、新筐体を採用した「タイプVG」と「タイプVC」を発表した。2月3日から受注を開始し、出荷開始日はタイプVGは2月18日、タイプVCは2月17日。希望小売価格は、タイプVGが345,000円から、タイプVCが268,000円から。基本的にはSIerやリセラーからの販売となるが、公式直販サイトでも取り扱う。

最近はオンラインとオフラインの垣根を越えた働き方のハイブリッドワークが注目されている。今回のVersaProシリーズは、その課題となっている事業の継続、モビリティ、セキュリティ、利便性の確保などに着目し、仕様変更や機能の向上を図った。タイプVGやタイプVCは、VersaProシリーズの全体的なラインナップの中ではモビリティを重視したモデルで、タイプVGはフラグシップ、タイプVCはエントリーという位置づけだ。

UltraLite タイプVG

  • VersaPro UltraLite タイプVG(VG-B)

  • タイプVGの天面

タイプVGは14型液晶のビジネス向けモバイルノートPC。希望小売価格は345,000円から、直販価格は最小構成で207,130円から。新モデル(VG-B)は、13.3型だった従来機(VG-9)の本体サイズをほぼ維持したまま、14型の画面になった。VG-9と比べて幅が6mm増えただけだ。画面のアスペクト比は16:10、解像度はWUXGA(1,920×1,200ドット)で、フルHD(1,920×1,080ドット)画面よりも縦に長く、Web閲覧や文書作業がしやすい。

  • 膝上使用のイメージ

仕様の違いによって大きく3モデルを用意。CPUにIntel Core i7-1195G7、16GBメモリを搭載するモデルが上位となり、下位のIntel Core i5-1155G7搭載モデルはメモリが16GBか8GBかで2モデルに分かれる。ストレージはSSD(PCIe)で128MB・256GB・512GBから選択。

通信機能はWi-Fi 6のほか、LTE(nano-SIM、eSIM)に対応。上位モデルでは5Gも選択できる。指紋センサーを搭載するかどうかも選べるが、LTEや5Gを選択する場合、指紋センサーの選択が必須となる。

  • nano-SIMスロットは本体の右ヒンジに近い液晶画面との境目に設けられており、画面をいっぱいに開かないと取り出せない。頻繁に出し入れするものではないので合理的な印象を受ける

5Gについては、大手キャリアが提供する「キャリア5G」と、顧客企業が用意する「ローカル5G」のそれぞれに対応する予定だ。ユーザーが業務を行う場所に適した接続先を選んで使い分けることで、高速・低遅延・多数同時接続という5G通信環境の特性をより柔軟に活かせるようになる。

ほか、Webカメラの解像度が従来のHDからフルlHDになり、新たに物理シャッターを採用した。ユーザーが自分の手でシャッターを開閉することで、意図しない映り込みを防ぐ。また、映像出力機能付きのUSB 3.2 Gen2 Type-C×2ポートになった。

  • Webカメラは物理シャッターを装備

ソフトウェアでは、Webミーティング支援の音響機能「ヤマハ製Audio Engine」のノイズサプレッサー機能がタイピング音の抑制に対応。Web会議の相手に自分のタイプ音が大きく伝わることを抑える。

タイプVGではWeb会議用の機能として、ファンクションキーの「F4」にマイクのオンオフが割り当てられている。FnキーとESCキーの同時押しで、ESCキーがファンクションキーをロックする「FnLock」キーとして機能。F1~F4がサウンド、F5~F8がディスプレイ、F9、F10にその他の機能が割り当てられ、ワンキーで機能を呼び出せる。たとえば、Web会議中にFnLockを有効にしておけば、くしゃみが出そうになったり、不意の来客があったりしたときにもサッとミュートできるわけだ。

  • タイプVGのキーボード。ファンクションキーを整理している。画面が縦にサイズアップしたことで、画面下のNECロゴが小さくなっている

タイプVGの本体サイズはW313×D218×H17.5mm。連続駆動約15時間のLバッテリー搭載時で約822gの軽さを実現。BTOでは、より大容量(連続約24時間駆動)のLLバッテリーも選択でき、この場合の重さは約875g。

  • タイプVGの右側面。左からヘッドホン・マイクジャック、USB 3.2 Gen2 Type-A(パワーオフUSB充電機能対応)、HDMI出力

  • タイプVGの左側面。左から盗難防止用ロック穴、USB 3.2 Gen2 Type-C×2(ACアダプタの接続ポートを兼用、Display Port出力機能付き、PowerDelivery対応。パワーオフUSB充電機能対応)、microSDカードスロット

  • タイプVGは液晶画面が180°開く

UltraLite タイプVC

  • VersaPro UltraLite タイプVC(VC-B)

  • タイプVCの天面

タイプVCは13.3型液晶のビジネス向けモバイルノートPC。希望小売価格は268,000円から、直販価格は最小構成で148,720円円から。モデルは1つのみで、BTOにてメモリ容量、光学ドライブ、Webカメラ、指紋センサー、バッテリー容量、プリインストールOSなどをカスタマイズできる。

CPUにはAMD Ryzen 5 5500U(AMD Radeon Graphics内蔵)を搭載。メモリは従来機(VC-6)では8GBのみだったが、16GBも選択可能になっている。ストレージはSSD(PICe)で128GB・256GB・512GBから選べる。CPUを強化したことで、NECの実施したベンチマークでは、Core i5-10210Yを搭載する従来機と比べて148%のスコア向上を実現したという。

画面サイズは従来機の12.5型から13.3型へ、輝度も250nitから400nitへと向上している。画面サイズの変更に伴い、従来機から幅は約18mm、奥行きは24mm大きくなったが、厚さは0.1mm薄くなっている。

WebカメラとIRカメラ(HD)を搭載でき、IRカメラを載せる場合は指紋センサーが必須。上記のタイプVG同様、Webカメラは物理シャッターを持つ。キーボードのキーピッチとキーストロークは、従来の18.7mm・1.4mmから、19mm・1.5mmへと余裕を持たせた。

  • タイプVCのキーボード。キーピッチとキーストロークが少し大きくなった

ソフトウェアでは、タイプVGと同じく「ヤマハ製Audio Engine」を備え、ノイズサプレッサー機能がタイピング音の抑制に対応している。

タイプVCの本体サイズはW307.2×D216×H17.9mm。重さはMバッテリー(10.5時間)搭載時で約971g、Lバッテリー(15時間)搭載時で約1022g。Lバッテリーが選択可能になったのは、従来機からの強化ポイントの1つだ。

また、従来機では背面に配置されていたUSB 3.2 Gen1 Type-A×2とUSB 3.2 Gen2 Type-Cは、前者が右側面、Type-Cが左側面になった。

  • タイプVCの右側面。左からヘッドホン・マイクジャック、USB 3.2 Gen1 Type-A(パワーオフUSB充電機能対応)、USB 3.2 G3n1 Type-A、HDMI出力、盗難防止用ロック

  • タイプVCの左側面。左からUSB 3.2 Gen2 Type-C(ACアダプタ接続ポート兼用、映像出力、Power Delivery対応)、SDメモリーカードスロット、LANポート

  • 有線LANポートは格納式で、引き出して有線LANケーブルを接続できる

  • タイプVCも液晶画面が180°まで開く