BALMUDA Phoneの独特な点のひとつに、オリジナルアプリがあります。いまのところGoogle Playで配布しないと表明しているのでBALMUDA Phone専用ですが、画面サイズを想定して作られているオリジナルアプリは秀逸です。

まず「スケジュール」は、ピンチイン・アウトによる拡大縮小でスケジュールを広いスパンで確認できます。日付が縦、時間が横に表示される、一瞬ガントチャート風に見える画面デザイン。ギリギリまで予定の文字が表示されるため、画面が小さくても見やすくなっています。

  • 「スケジュール」アプリ。日付が縦、時間が横方向に並び、カレンダーとは異なる操作性。日々のスケジュールが多い人ほど使いやすいのではないでしょうか

  • どんどんピンチインしていくことでスケジュール範囲が広がり、予定の詰まり具合が確認できます

多少引っかかりを感じることもありますが、おおむね滑らかに動作して、見栄えと実用性を両立させています。デフォルトでホーム画面にウィジェットが設置されており、今日の予定を確認する場合はホーム画面で左にスワイプするだけというのも、BALMUDA Phoneのスタンスからすれば正しい設計でしょう。

【動画】スケジュールを操作しているところ

同じようなUI設計のオリジナルアプリが「メモ」アプリ。写真の添付も可能なシンプルなメモアプリですが、ホワイトボードに付箋を貼り付けるように、メモをサムネイルとして貼り付けて管理します。

カラーでの区別もできるので、例えば開発中の製品ごとのアイデアメモから、生活の思いつき、何かに使えるかもしれないメモ、といった具合に区別して整理して、ドラッグ&ドロップで別々のアイデアを組み合わせる、といった使い方も便利そうです。また、ピンチイン・アウトによる拡大縮小で全体を俯瞰で見たり、2つのメモを見比べたり、といった使い方も可能です。

  • 同様にピンチイン・アウトでサイズをコントロールできるメモアプリ

  • メモとしての機能はあまり目立ったものはありません

「ウォッチ」は、アナログ風のデザインで、ストップウォッチや目覚まし、カウントダウン機能を持っています。「計算機」は特徴的な「億万」表記ボタンを装備。通常は3ケタごとに区切られていますが、億万ボタンを押すと日本風の億と万が付与され、見やすくなります。

  • アナログ風のデザインのウォッチ。タイマーもアナログ風の設定ができます

  • 機能としては一般的な電卓の計算機

計算機アプリは為替変換機能も搭載しており、円・ドル・ポンド・ユーロ・元の相互変換が可能です。関数電卓機能はないようです。

  • 億万表示は日本的で、個人的には便利に感じます

  • ほかのスマートフォンでも一部で搭載されている為替変換機能

こうしたオリジナルアプリは、今後も開発を継続して、新規アプリも提供していくとのこと。サムスンやOPPOなどの大手メーカーも、スケジュールや計算機のようなオリジナルのアプリを提供していますが、オリジナリティと継続性を維持するのは難しいものです。

とはいえ、バルミューダの世界観を維持するためには、ハードウェアだけでなくソフトウェア面での工夫も必要。今後の継続的なアップデートや新アプリの登場に期待したいところです。

スマホプレイヤーの一角になれるか。素直に期待したい継続性

BALMUDA Phoneは、シンプルなスマートフォンと言いつつ、単にコンパクトなだけでなく、さまざまなオリジナル要素を盛り込んでいます。アプリに関して現状は、ほかのスマートフォンメーカーも取り組んでいる部分ではありますが、今後も新たなアプリの提供を予告しており、そうしたオリジナルアプリの展開によっては魅力のさらなる向上につながるはず。

オリジナリティという意味で「振り切った」製品ではありませんが、もともと尖る気はないでしょうし、いかに生活になじむか、という観点で開発された製品なのでしょう。小型スマートフォンはほかにもありますし、単に電話として持ち運べればいいというわけでもなく、かといって単なる機能美とも違う――。そうした生活家電にも通じるスタンスが感じられるスマホです。

  • 曲線を生かした柔らかなデザインは、手になじんで意外に気持ちのいい持ち心地です

バルミューダとして初のスマートフォンであり、独自路線を打ち出したのは間違いなく、継続することで新たな一面を打ち出してくれるかもしれません。スマートフォンを作るメーカーが世界的に集約されていく中で、そうした継続性とオリジナリティを保てるか、素直に期待したいと思います。