12月2日、ソニーがフルサイズミラーレス「α7 IV」(ILCE-7M4)を発表しました。すでに海外では発表済みでしたが、日本でも正式にお披露目された形です。

撮像素子と画像処理エンジンを最新版に置き換えて画質を高めたほか、電子ビューファインダーの見やすさを向上。オートフォーカス性能を引き上げたほか、動画撮影を意識した設計としたのもポイント。α7R IVの高解像性能、α9 IIの速写性能、α7S IIIの動画性能を取り込み、写真も動画も不満なく撮影できる次世代のスタンダードフルサイズミラーレスに仕上げてきました。

価格はオープンで、ボディ単体モデルの予想実売価格は33万円前後。発売は12月17日で、12月7日の10時から事前予約を受け付けます。

  • ソニーのフルサイズミラーレス「α7 IV」がようやく日本でも発表に! 価格はちょっと高くなったが、α7 IIIからの3年半の進化がギュッと凝縮されている

2018年3月に発売してフルサイズミラーレスのベストセラーとなった「α7 III」の改良版モデル。おもな特徴は以下の通りです。

  • 新開発の裏面照射型CMOSセンサーを採用、画素数は従来の有効2420万画素から有効3300万画素にアップ。高感度ノイズを減らして画質を改善
  • 画像処理エンジンはBIONZ XRをデュアルで搭載
  • オートフォーカスの測距点は759点に増強、新たに鳥認識AFにも対応
  • EVFは約368万ドットに高精細化、偽色の発生も抑制して見やすさを向上。120fpsのなめらか表示も選択可能
  • 背面液晶は368万ドットのバリアングル式に改良、タッチによる操作にも対応
  • 動画撮影は4K/60pの撮影に対応
  • 動画撮影時にピント位置を変えた際、ブリージングの発生を最小限に抑制するブリージング補正機能(対応レンズ使用時のみ)
  • モードダイヤルと同軸に、写真/動画/S&Q(スロー&クイック)切り替えダイヤルを新設
  • 露出補正ダイヤルはほかの機能を割り当てられる電子ダイヤルに改良
  • 最大4K/15pのUVC/UAC機能を搭載、特別なソフトの導入なしでWebカメラとして使えるように
  • スマホアプリ「Imaging Edge Mobile」の接続設定を改善
  • Wi-Fiは5GHz帯のWi-Fi 6に対応
  • 記録メディアはSDXCのデュアルスロット(1スロットのみCFexpress Type A対応)
  • 基本的なデザインや本体サイズはα7 IIIを継承。正面のエンブレムは「α7」のみのシンプルなデザインになった

α7 IIIと比べて大きな進化の1つが、画質を高めた点です。撮像素子は新開発の裏面照射型CMOSセンサーで、画素数を有効3300万画素に高めて解像感を高めています。従来のα7 IIIは、ISO3200ぐらいから高感度ノイズが目立ちましたが、α7 IVはセンサー自体の改良と画像処理エンジンの処理で、画素数を引き上げながらノイズはα7 IIIよりも抑えたとしています。

  • 新開発の裏面照射型CMOSセンサーを採用。画素数は有効3300万画素に高まった

  • 背面は液晶がバリアングル式になったのが大きな違いだ

オートフォーカスは位相差AFの測距点を759点(撮像面の約94%をカバー)に拡大しつつ、リアルタイム瞳AFは新たに鳥認識にも対応。総じて、α1と同等のレベルに引き上げられたといえます。

  • α7 IV(左)とα7 III(右)。基本的なデザインは一緒

  • α7 IVはグリップがいくぶん大型化され、握りやすくなった

特に強化されたのが動画まわりです。動画は4K/60pのなめらかな撮影に対応したほか、7K相当の情報量をオーバーサンプリングした4K/30pの動画記録にも対応します。また、4:2:2 10bit記録や、ダイナミックレンジの広いS-Cinetoneにも対応。手ブレ補正はアクティブモードに対応したほか、ピント位置を変えた際にブリージングの発生を最小限に抑えるブリージング補正にも対応しました。上部のマルチインターフェースシューはデジタルオーディオインターフェース機能に対応し、デジタルでの音声収録が可能になりました。

  • 記録メディアはSDXCのデュアルスロットとなり、1スロットのみCFexpress Type A対応になった

操作性も改良しています。大きいのが、背面液晶がバリアングル式となったことと、右肩の露出補正ダイヤルが汎用性の高い電子ダイヤルに置き換わったこと。電子ダイヤルは露出補正だけでなく、ISO感度設定などにも割り当てられるようになります。これらは、動画撮影を見込んだ改良といえます。

  • 上部のダイヤル類はいろいろな改良が施された。写真や動画の切り替えは、モードダイヤルと同軸になった

  • 露出補正ダイヤルは電子ダイヤルになり、露出補正以外の機能を割り当てられるように

  • α7 IV(左)とα7 III(右)。比べてみると変化は多い

α7 IIIでザラザラとした表示が不満の1つに挙げられていた電子ビューファインダーですが、見やすさを大幅に改善しています。パネルを368万ドットに高精細化したほか、偽色の発生も抑制したことで、見やすさを向上。120fpsのなめらかな表示も選択できるようにになり、最新モデルにふさわしいイマドキのEVFになったといえるでしょう。

  • 精細感が高まり、断然見やすくなったEVF

総じて、α7 IIIで不満に感じていた高感度画質やEVFを改善しつつ、動画関連の性能や操作性を引き上げたα7 IV。実売価格は33万円前後ということで、現在25万円前後で購入できるα7 IIIと比べるとだいぶ高くなった印象を受けます。しかし、α7R IVやα9、α7S IIIなど、α7 IIIの発売以降に登場した高性能カメラのエキスをふんだんに取り入れたことで、スペックには現れない進化を遂げているのは確実といえます。新世代のフルサイズミラーレスのスタンダードとして、今回もヒットを予感させます。

  • α7 IVのエンブレムはひっそりと設けられている