バルミューダは11月9日、2021年12月期第3四半期 決算説明会をオンラインで開催。原価高や部品調達の困難さが深刻ではあるものの、業績は堅調な推移と説明しました。スマートフォン「BALMUDA Phone」の発表が11月16日となったことなど、寺尾玄社長が語りました。

  • バルミューダのWebサイトに設けられたティザーページで正式発表日が公表された、同社初の5Gスマートフォン「BALMUDA Phone」

バルミューダの2021年12月期第3四半期決算(連結・サマリー)は、2021年1月~9月の売上高が110.8億円(対前年比+36.9%)、営業利益が4.3億円(同-52.7%)、営業利益率が3.9%(同-7.4p)となりました。通期見通しは据え置きとしています。

  • バルミューダの2021年12月期第3四半期決算

営業利益が落ち込んだ理由は、製造原価が上昇し、部材の調達も困難な状況であることが一番としています。調達チームのふんばりと、設計チームの努力(代替部品への変更)によって、いまのところ商品を切らす事態には至っていません。しかし売上は堅調ながら、利益率の悪化は避けられない状況とのこと。

世界的な半導体不足はニュースでも取り上げられており、バルミューダもほとんどの製品に半導体を利用しています。半導体メーカーから予定通りの納品が難しい場合は、代替製品や市場在庫を探しますが、これが利益率を圧迫する要因となります。

半導体以外でも、例えばトースターのホワイトモデルで塗料の原材料となる酸化チタンの粉なども不足しがち。あらゆる部材に不足が出ないよう目を光らせているそうです。

  • 「部品が1個ないだけで製品は組み立てられない」と部品調達の影響の大きさを語る、寺尾玄社長

2021年1~9月の主な販管費である人件費は8.8億円(対前年比+24.4%)、広告宣伝費は4.5億円(+77.5%)、試験研究費8.0億円(+269.2%)。テレビCMを首都圏で積極的に展開していること、携帯端末事業関連の試験研究で5.6億円を費やしていると触れました。

寺尾社長は「今年(2021年)、大きく投資したものが、この冬から来年(2022年)に向かって実になっていく」とコメントしています。通期見通しを据え置きとしていることからも、第4四半期に大きな売上と、利益確保が必要となってきます。これについては、バルミューダはもともと第4四半期が年間で最も大きな売上を作るタイミングであり、11月16日に発表する5Gスマートフォン「BALMUDA Phone」の売上も一部入ってくるため、達成できる見通しとしています。

  • 「BALMUDA Phone」の詳細について、11月16日に発表すると予告

BALMUDA Phoneのティザーページでは、画一化が進むスマートフォンに新たな選択肢を提供するとして、「Another.」のタイトルが付されています。

また、第4四半期の取り組みとして、11月19日に東京・青山にバルミューダ初の旗艦店「BALMUDA The Store Aoyama」のオープンも控えています。

  • 旗艦店「BALMUDA The Store Aoyama」は、11月19日にオープンの予定

製品に目を向けると、コーヒーメーカーの「BALMUDA The Brew」が非常に好調で、予測の2倍~2.5倍の受注を達成。特に、11月2日に発表したスターバックスコーヒーとのコラボレーションによるオープンドリップ式コーヒーメーカーの特別モデル、「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION」は人気で、スターバックス店頭では予約開始から半日で売り切れ。バルミューダの販売サイトでも2日間で売り切れて、現在は追加製造中とのことです。

  • スターバックスコーヒーとコラボしたコーヒーマシン「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION」