バルミューダが2021年10月に発売した同社初のオープンドリップ式コーヒーメーカー「BALMUDA The Brew(バルミューダ ザ・ブリュー)」に、コーヒー豆から焙煎までこだわりぬいたという「STARBUCKS RESERVE(スターバックス リザーブ)」とのコラボレーションモデルが登場します。

  • バルミューダとスターバックスがコラボレーションしたオープンドリップのコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION」

その「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION(バルミューダ ザ・ブリュー スターバックス リザーブ リミテッドエディション)」は、スターバックスのコーヒーを自宅で楽しめるコーヒーメーカーとのこと。スタバファンにはたまりませんね。

11月2日から予約を受け付けており、スターバックス リザーブ ロースタリー東京とスターバックスオンラインストアで11月8日から先行発売、バルミューダオンラインストアでは12月上旬の発売となっています。価格は64,900円。リザーブ ロースタリー東京で行われたメディア向け体験会から、実機や開発話をご紹介します。

  • 体験会はスターバックス リザーブ ロースタリー東京で行われました

BALMUDA The Brew(以下、標準モデル)は、約6年の開発期間を経て完成したドリップ式のコーヒーメーカー。独自の抽出方法を採用し、ストロングな味わいとクリアな後味が特徴です。

ポイントは注湯温度のコントロール。蒸らし・抽出・仕上げの過程ごとに、最適な温度に調整したお湯を注ぎます。また、蒸らし時間や注ぐお湯の量・速度も重要ですが、的確な間隔で適量のお湯を0.2ml単位で調節しながら、ていねいにドリップしていきます。抽出モードはレギュラー、ストロング、アイスの3種類です。

BALMUDA The Brewで淹れたコーヒーは、手ごろな価格のコーヒー豆を使っても嫌なえぐみを感じず、すっきりとした味に仕上がるのが印象的。そんなバルミューダがスターバックスと味の調整を重ねて開発したのが、今回のBALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION(以下、リミテッドエディション)です。

  • 左が標準モデル、右がリミテッドエディション

標準モデルと異なり、リミテッドエディションの抽出モードは「Hot」「Iced」の2つだけ。ストロングは搭載せず、レギュラーのみの味わいです。抽出量はスターバックスのメニューのサイズと同様、「Short」と「Tall」が選べます。

本体のデザインも、標準モデルとは若干の違いが。リミテッドエディションは、カッパーとダーククロームで仕上げました。本体とステンレスサーバーに施したSTARBUCKS RESERVEのマークがアクセントになっています。

  • 標準モデルのメニューとバルミューダのロゴ

  • リミテッドエディションのフォントは、スタバの店内で使われているフォントを参考にしたそうです。標準モデルではバルミューダのロゴがあった場所に、STARBUCKS RESERVEのマーク

  • 魔法びん構造のステンレスサーバーにもSTARBUCKS RESERVEのマーク

  • スタバのコーヒーメニューと同じ量の、トールサイズとショートサイズが選べます

  • カッパーとダーククロームでスタバの空間を再現しています

リミテッドエディションは、スターバックス店舗で飲むコーヒーの美味しさを再現するため、スターバックスの中でも「スターバックス リザーブ」で販売しているコーヒー豆にあわせて抽出方法をチューニングしたとのこと。スターバックス リザーブでは、レギュラー店舗よりもさらに高品質な豆を取り扱っています。個性豊かな豆が多く、バリスタと相談しながら豆や抽出方法を選ぶなど、より深いコーヒー体験ができる点が魅力なんです。

豆の品質は抽出の違いにも表れます。一般的に、じっくりとお湯に浸すような淹れ方をするとコーヒー豆の味とともに雑味が出がちですが、高品質な豆ならコーヒーの美味しさが強くなって楽しめます。この特徴はリミテッドエディションの開発にも生かされ、「抽出方法はじんわりじっくりした攻めたチューニングが可能でした」と、バルミューダ 商品設計部ソフトウェア設計チームの太田剛平マネージャーは振り返ります。

バルミューダとスターバックスのコラボレーションは、3年前に「BALMUDA The Pot」のスターバックス限定モデルを販売したことからスタート。当時から、いつかはコーヒーメーカーを作りたいと考えていたそうで、念願が叶って今回のLimitedエディションが誕生したというわけです。

  • 開発に携わったスターバックスの江嵜さん(左)と、バルミューダの太田さん(右)

スターバックスジャパンのコーヒースペシャリスト・江嵜譲二さんは、「家で過ごす時間が増えたという人が多いですよね。そうなると、スタバの店舗に行きにくくなったという人もいらっしゃるでしょう。人々の生活が変化した中で、我々にできることを考え、家庭でもコーヒーライフを楽しんでいただけるマシンの開発に着目しました。スタバのお店に来る以外でも、スタバを感じていただきたい」と話します。

1ml単位でコーヒーの抽出を調節

Limitedエディションの開発では、お湯が出る量、回数といった制御に注力。スターバックスのレシピで抽出されるコーヒーの味を絞り込みながら、チューニングしていったそうです。お湯の量だけでなく、ポタポタとお湯が出てくる速度、インターバルなど、豆の美味しさを引き出すため、ギリギリまで高精度に細かく調整。

繊細な作業の連続で「いろいろ試していくと1mlのお湯の違いで味が変わることがわかり、そこを突き詰めていきました」と江嵜さん。

太田さんは「技術者として、1ml単位のこだわりに応えたいと思いました。毎回同じ味が安定して抽出できるよう、ソフトウェアの作り込みやマシン本体の安定性にも力を入れました」と続けます。

  • お湯の量を1ml変えただけで、コーヒーの味ががらりと変わったそうです

バルミューダの太田さんは、前職は自動車関連企業で自動運転の制御に携わっていました。コーヒー好きが高じて、「自分が美味しいと思えるコーヒーメーカーを作りたい」と、バルミューダに入社したとのこと。

一方、江嵜さんはスターバックスが日本に上陸した1996年から同社に勤めるコーヒーを知り尽くした人。リミテッドエディションは、2人のコーヒーに対する思いが詰まったモデルです。

「農園での豆づくりから始まって、焙煎してコーヒーとして提供するまで、携わっている人たちは、飲まれるコーヒーが美味しいものであってほしいと願っています。そこに応えられるコーヒーマシンでありたいと思っています」(太田さん)

「プロトタイプを初めて見て、美しいデザインは崩してはいけないと思いました。ソフトフェアの部分に知恵を出して味を作っていこうと思いました」(江嵜さん)

  • コーヒーの香りが漂う体験会はリラックスした雰囲気

体験会では、リミテッドエディションで淹れたコーヒーを試飲しました。豆は「スマトラ」。ハーブのような風味とコクが特徴のコーヒー豆です。コクのある味のコーヒーはとても美味しく、BALMUDA The Brewらしいクリアな味わいはそのまま。スタバ店舗の味とまったく同じかどうかは、環境的な要素や飲む人の感じ方も大きいので一概にはいえませんが、江嵜さんのお話では、スタバで売っている豆を使えば「スタバの味」を再現できるとのことでした。

また、BALMUDA The Brewは(標準モデルもリミテッドエディションも)、ドリップ部分がオープンになっているため、お湯を注いでいる様子や蒸気の立ち上がりなどを見て楽しめます。目の前でバリスタに淹れてもらっているような気分にもなれます。こういうところも、スターバックスのコーヒーを自宅で体験できる部分なのかもしれませんね。

  • 体験会ではコーヒー豆「スマトラ」をリミテッドエディションで淹れたコーヒーを試飲。コクがあって美味しい~

なお、リミテッドエディション販売のタイミングで、スターバックスでは「STARBUCKS RESERVE JOURNEY SET」を販売します。コーヒー豆とリミテッドエディションのセットです。

申し込むと、Limitedエディションが11月20日ごろ到着し、バリスタが厳選したスターバックス リザーブのコーヒー豆(250g)を、11月20日ごろ、11月30日ごろ、12月10日ごろ、12月20日ごろという計4回、自宅に届けるというもの。オンラインストア販売期間は11月8日~11月15日で、予定数量がなくなりしだい販売終了となります。価格は79,640円です。

  • 「STARBUCKS RESERVE JOURNEY SET」で新しいコーヒーと出会えそうです