Netskope Japanは11月4日、同社のSASE(Secure Access Service Edge)ソリューションの最新情報および日本市場の戦略に関する説明会を開催した。同社はクラウドネイティブなセキュリティ・ソリューション・ベンダーとして、CASB(Cloud Access Security Broker)、SWG(Secure Web Gateway)、リモートアクセスサービスから構成されるSASEソリューションを提供している。

説明会では、初めに、米Netskope チーフストラテジー&マーケティングオフィサーのジェイソン・クラーク氏が、同社のSASEの特徴について説明した。同氏は、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって、データが分散分散するようになってきたことで、そのデータを守るためのセキュリティ対策を講じる必要が生じており、IT部門やセキュリティ部門のの負担が増えていると指摘した。

  • 米Netskope チーフストラテジー&マーケティングオフィサー ジェイソン・クラーク氏

クラーク氏は、この状況を2つの側面から説明した。1つの側面は、Microsoft 365やSalesforce.comといったIT部門が管理しているSaaSであり、これらを守るためにCASBが作り出されたという。もう1つの側面はWebトラフィックであり、これを守るセキュリティ製品がSWGやNGFW(次世代ファイアウォール)となる。

クラーク氏は、リスクが高まっているのは、この2つの側面の間にあるビジネス・アプリケーションであると指摘した。ここでは、IT部門が関与しておらず、ユーザーが主導してアプリケーションが導入されている「シャドーIT」が生まれているという。この部分は、CASB、SWG/NGFWだけでは守り切れない。そこで、生まれたのがSASEとなる。

「オンプレミスにあったコンピューティングリソースがクラウドにいくことで、インスペクションポイントが広がっているが、SASEなら1カ所でインスペクションできる」と、クラーク氏はSASEのメリットを説明した。

  • 「SASE」の概要

またクラーク氏は、「われわれのSASEの最初のステップはSSEを導入することであり、それにCASB、SWG、DLPを統合し、クラウドのインスペクションも可能にした。対する競合の2社はSWGに集中しており、CASBとDLPは強くない。われわれはクラウドにインスペクションポイントが移せるのが強み。また、われわれはiOSで機能が追加されるように、革新を続けてきた。しかし、競合他社は買収して機能を付加しており、これは本当の統合ではない」と、競合に対するNetskopeの強みをアピールした。

  • Netskopeが提供する「SASE」の機能

続いて、Netskope Japan カントリーマネージャーの大黒甚一郎氏が、日本市場の戦略について説明した。同氏は2019年に日本でローンチして以来、「驚くほどビジネスが伸びている。導入企業数は219社にまで増えており、年内に250社に達するかもしれない。売上は、ローンチ時の4倍に達している」と語った。

  • Netskope Japan カントリーマネージャー 大黒甚一郎氏

今後の方針として、体制の強化を図る。具体的には、1年以内に営業とPre-Sales技術者(SE)を2倍にするという。次に、同社はチャネルビジネスなので、パートナーが重要ということで、パートナーの育成・強化を図る。リセラープログラムはすでにスタートしており、今後は、ラージエンタープライズに強いストラテジックパートナーを増やすことを目指しており、既に検討に入っているそうだ。その他、これまではあまり力を入れていなかったマーケティングにも注力していく。

同社はプライベートクラウドの拠点「NewEdge」をグローバルで46カ所持っており、大黒氏は「ダイレクトピアリングを重視しており、AWSやMicrosoft Azureといったメジャーなクラウドとピアリングしている」と述べた。現在、「NewEdge」の強化を進めており、日本では3番目の拠点を構築中で、来月にGAの予定とのことだ。