米Intelが10月21日 (現地時間)に発表した2021年度第3四半期(2021年7月~9月)決算は増収増益だったが、売上高がアナリストの予想平均にとどかなかった。半導体不足に起因する部品・部材不足の影響が色濃くあらわれ始め、クライアントコンピューティンググループの売り上げが減収に転じ、データセンターグループも影響を受けた。今後について、通常は60%前後の売上総利益率がこれから2〜3年は51〜53%で推移する見通しを示した。長期的な成長の礎となる研究・開発や製造施設への投資によるものだが、投資家は収益性の悪化を嫌気し、時間外取引で株価が同日終値より約9%下落した。
7〜9月期もPC需要は強く、デスクトップ向けプラットフォームの売り上げは前年同期比20%増だった。しかし、半導体不足に起因する部品・部材不足でノート向けプラットフォームが同5%減だった。供給が逼迫しているのは古いプロセスで製造される半導体で、Intel製品は大きな影響を避けられているものの、液晶や無線LAN用の部品不足でノートPCの供給が減少した。エンタープライズ向けも電源や通信関連の部品・部材不足の影響を受けた。
CEOのPat Gelsinger氏は今後についてCNBCとのインタビューにおいて、今が最悪の状態であり、2022年は四半期ごとに改善が進むとしたが、需給の均衡を取り戻せるのは2023年になると述べた。
9月期の全体の売上高は、192億ドル(前年同期比5%増)、純利益は68億ドル(同60%増)で1株利益は1.67ドル。非GAAPだと、売上高181億ドル(同5%増)、純利益70億ドル(同54%増)、1株利益1.71ドル。アナリストの予測(非GAAP)は、売上高182億ドル、1株利益1.11ドルだった。以下は事業グループ別の売上高。
- クライアントコンピューティンググループ (CCG):売上高97億ドル(前年同期比2%減)。内訳は90億ドルがプラットフォーム (同2%増)、7億ドルがその他 (同35%減)。ノートPC向けの売上高が同5%減、デスクトップ向けは同20%増だった。
- データセンターグループ (DCG):売上高65億ドルで前年同期比10%増。売上高の内訳は57億ドルがプラットフォーム(前年同期比12%増)、7億ドルがその他 (同1%減)。
- Internet of Thingsグループ (IoTG):売上高10億4200万ドル (前年同期比54%増)。
- Mobileye:売上高3億2600万ドル (前年同期比39%増)
- プログラマブルソリューションズグループ (PSG):売上高4億7800万ドル (前年同期比16%増)。
2021年度10〜12月期については売上高192億ドル、売上総利益率51.4%、非GAAPで売上高183億ドル、売上総利益率53.5%という予測を示した。