• バッテリー駆動するカメラ付きドアホン、Google Nest Doorbell。内蔵スピーカーとマイクを通じ、ドアホンの前にいる相手と会話できます

    バッテリー駆動するカメラ付きドアホン、Google Nest Doorbell。本体に内蔵したスピーカーとマイクを通じ、ドアホンの前にいる相手と会話したり、事前に録音した応答メッセージを再生したりできます

Google(グーグル)がこの秋日本で発売した「Google Nest Doorbell」は、スマホやスマートスピーカーとつながるスマート ドアベルです。その使い勝手を探ってみました。

スマホ連携が充実したWi-Fi機能付きドアベル

「Google Nest Doorbell」は、玄関のインターホンをスマート化する製品です。直販価格は23,900円と、売れ筋のテレビドアホンと同じくらいの価格で手に入ります。

  • Google Nest Doorbell、Google Homeと連携するドアベルです

テレビドアホンというと四角くて黒いものというイメージを抱きがちですが、Nest Doorbellは丸っこくて白い棒のような形状。Googleのスマホ「Pixel」シリーズにも通じるところのある、柔和な印象の外観です。

本体にはビデオカメラ、バッテリー、Wi-Fi接続機能を内蔵。玄関に設置すれば、無線接続でドアホンとして機能します。

  • 丸っこい本体は防水仕様でバッテリー内蔵

  • 人を検知して自動で録画を開始。スマホで遡って確認できます

屋外利用を想定した仕様ですが、防水・防塵はIP54準拠、動作温度は摂氏-20度~40度とほどほどなスペックになっているため、風雨に直接さらされるところや、直射日光に長くあたり続けるような所に設置するのは避けるのが無難でしょう。

バッテリー駆動・Wi-Fi接続で使えば配線は不要ですが、既存のドアベルの配線をつないで電源供給することもできます。その場合はドアベル用の変圧器を別途用意する必要があります。

  • 背面上部に充電用のType-C端子。その下にある端子は米国のドアベル規格の端子です

  • 右側の金属プレートを壁に固定して、本体をひっかけて設置します

  • 設定はスマートフォンの「Google Home」アプリから。ややこしい手順はありません

家のスピーカーぜんぶ鳴る! チャイムの反応は良好

ドアベルのボタンが押されると、よくある呼び鈴の「ピンポーン」という音が鳴ります。家庭内にGoogle Home対応のスマートスピーカーやスマートディスプレイがあれば、そのすべてから一斉にベルの音が響き渡り、否応なしに気づきます。Google Nestシリーズのスマートディスプレイがあれば、ディスプレイに映像も表示されます。

  • ベルが押されると、家に設置してあるGoogle Nest Hubに玄関のようすを表示します(写真は一部を加工しています)

スマートスピーカー・ディスプレイ側で、「ねえGoogle、応答して」といった音声コマンドや、スマートディスプレイに出てくるボタンを押せばインターホンにつながります。

呼び鈴が押されてからの反応は俊敏で、有線タイプのインターホンと比べても遜色ないと感じます。スマートスピーカーを各部屋に置いておけば、そのすべてでベルが鳴り、どのスピーカーからでも応答できます。ドアホンまでダッシュしなくて良いのは、このシステムならでは手軽さと言えそうです。

Google Nest Doorbellが鳴ったとき、スマートディスプレイからはどう呼ばれる?(動画は音が出ます。また、一部を加工しています)

スマートディスプレイでは初代Google Nest Hubとの組み合わせで使ってみましたが、ビデオ映像が表示されてからボタンをタップして反応するまでに若干タイムラグがあり、忙しい配達員さんなら、不在票を書いて立ち去ってしまうかもと思う程度の反応速度でした。

また、音声はドアベル→スマートディスプレイの方向ではクリアに聞こえていますが、スマートディスプレイ→ドアベルの応答はノイズが混じって聴き取りづらかったようです。設置場所がWi-Fiが届きにくい環境だったことも影響しているのかもしれません。

なお、Google Nest Hubの現行モデル(第2世代)は、スマートディスプレイ内蔵のカメラに手をかざして操作できる機能が追加されています。この現行モデルと組み合わせれば、よりスムーズに応答できそうです。

置き配があっても出先から対応できる

Google Nest Doorbellは、もちろんスマホ経由での接続が可能です。外出先からスマホで玄関の様子を確認する、ライブカメラ的な使い方もできます。

  • 暗視カメラ搭載。夜でもちゃんと見えます

スマホから音声でインターホンへの対応も可能。ボタンを押すだけで固定メッセージが流せる「クイック応答」という機能もあり、外出時に来た宅配の人に「置き配でお願いします」と、スマホ操作で伝えられます。

  • スマホ画面の操作だけで、あらかじめ吹き込んだ固定音声で応答できます

応答時のタイムラグはスマホ側の性能(通信状況や動画処理性能)にもよりますが、安定した5G回線での通信なら2~3秒程度でライブ接続が可能。出先から使えるビデオドアホンとしては十分な応答速度と考えられます。接続環境の良い場所でスマホでドアベルの通知を見ていたなら、あたかも家にいるかのように応答できそうです。

また、Google Nest Doorbellには人や顔を識別する機能もついており、例えば運送会社の配達の人を見分けると「配達員」として通知します。置き配された荷物や、犬やネコ、クルマの動きを識別して通知することも可能です。