スマートフォンを仕事やプライベートでフル活用しているライターのみなさんに、「これがあるとスマホがとっても便利になる!」「仕事をするうえで手放せない存在になった」というオススメのスマホアクセサリーやアプリ、サービスをお伺いしました。今回は、モバイルジャーナリストの佐野正弘さんです。

発表会の様子を音声ではなく動画で残すようになった

筆者はモバイル系のライターということもあって、スマートフォンを取材で使う機会が多いのですが、中でも多く使うのは動画の撮影です。といってもYouTuberをやっているわけではないので、何のために動画撮影をしているのか?といいますと、実は録音の代わりに、発表会やインタビューを録画しているのです。

なぜ録音ではなく録画なのかというと、あとからその内容を文字起こしする際、誰がどのタイミングで話をしたのかが分かりやすくなるから。音声だけですと、声が似ている人の区別がつきにくい…という経験をしたこともあって、いつしか録音の代わりに録画をすることが多くなったわけです。最近のスマートフォンはストレージの容量も増え、長時間の録画も可能になったことから、可能な限り録音よりも録画を活用するようにしています。

ですが、取材中はメモを取る必要もあるので、撮影のためにスマートフォンをずっと手に持っているわけにはいきません。そこで必要なのがスマートフォンを立てておく三脚なのですが、筆者が長年愛用しているのはJOBY(ヴァイテックイメージング)の「マイクロトライポッド」です。

これは、名前の通り超小型の三脚で、3つの足を回転して開くと三脚として利用できるというものなのですが、気に入っているのはやはりそのコンパクトさ。閉じた状態で6~7cm程度、しかも非常に薄いことから、鞄やズボンなどあらゆるポケットの隙間に放り込んでおけるのです。

  • JOBYのマイクロトライポッド。閉じた状態では指でつまめるコンパクトさだ

  • 足を開くと立派な三脚に。スマートフォンを装着するには、ネジ部分にマウントを取り付ける必要がある

それでいて、開くとしっかり三脚として機能してくれ、テーブルや床など平らな場所さえ確保すればどこにでも設置可能。もちろん、スマートフォンを直接三脚のネジには取り付けられないので、別途スマートフォン用のマウントも取り付ける必要はあるのですが、250g程度の重量には耐えられるので、多少重いスマートフォンを乗せても問題なく利用できます。

  • 最大重量は250gまでなので、重量215gの「moto g100」を装着しても問題なく利用できる

特に、コロナ禍以前は国外など遠方での取材も多かったことから、取材道具はなるべく軽さとコンパクトさを重視して揃えていました。それゆえ、スマートフォン用の三脚といえど少しでもかさを減らしたかっただけに、これだけのコンパクトさを実現するマイクロトライポッドは非常に重宝したわけです。

コロナ禍の現在においても、マイクロトライポッドは大いに役立っています。外出中にオンラインでの説明会に参加しなければならないケースが増えていることから、スマートフォンをマイクロトライポッドに装着し、ワイヤレスイヤホンを接続して簡易的なビデオ会議環境を整備。スマートフォンで会議に参加しながらノートパソコンでメモを取る、といった使い方をしています。

しかも、最近はスマートフォン用のマウントの種類や幅が広がっているので、用途に応じてマウントを使い分けることも可能。例えば、コールドシューを装着できるマウントを使えば、ライトやマイクを装着して活用することも可能です。

  • コールドシュー付きのマウントを使えば、ライトやマイクなどさまざまな機器を装着できる

もちろんコンパクトなだけに、弱点もいくつかあります。1つは、あまりに小さすぎるので、スマートフォンを立てていても動画を撮影していると認識されず、取材で使う際はカメラマンなどに前を塞がれてしまうことが少なからずあること。そしてもう1つは、すでに単体での入手ができなくなっていることです。

というのもこの製品、元々はコンパクトデジタルカメラ向けに販売されたもののようで、単体での販売は終了してしまっているようです。ただ、薄型・コンパクトなスマートフォン用マウントがセットになった「グリップタイトONE マイクロスタンド」は現在も販売しているので、もし気になるという人はそちらを購入するのがよいでしょう。

  • 現在販売されている「グリップタイトONE マイクロスタンド」を再現。セットになっているのは、非常に薄型・コンパクトなマウントだ

  • 付属のマウントをmoto g100に装着して立ててみたところ。伸縮性があるので、大型のスマートフォンでも安定して支えられる