スピーカー"ポン置き"でリアルサラウンド!

自宅でHT-A9を試用するにあたり、組み合わせる表示装置をどうするか、じっくり考えた。スピーカーのサイズ感からすると、液晶テレビや有機ELテレビとの組み合わせがオーソドックスなスタイルといえそうだが、やはり映画はプロジェクターで見たい。拙宅の投影用スクリーンは部屋のリフォームに備えて撤去してしまったから、あきらめなければならないのか?

そこで思い出したのが、エリートスクリーンの「ケストレルテンションCLR」だ。世界初という電動立ち上げ式の超短焦点プロジェクター用スクリーンで、リモコンのボタンを押せばすーっとスクリーンがせり上がるしくみ。工事は不要、使わないときは台座部分だけになるから部屋に圧迫感がなくなる。VAVAの4K/HDR対応超短焦点プロジェクター「VA-LT002」とともに借り出し、HT-A9との組み合わせで鑑賞することにした。

  • 電動立ち上げ式/100型の超短焦点プロジェクター用スクリーン「ケストレルテンションCLR」に、VAVAの4K/HDR対応超短焦点プロジェクター「VA-LT002」との組み合わせでテストした

セッティングはあっけないほどかんたん。コントロールボックスと4本のスピーカーそれぞれに電源ケーブル(コントロールボックスのみACアダプターを使用)をつないで“それらしい”位置に置き、コントロールボックスをHDMIケーブルでテレビとBDレコーダーにつなげばOK。スピーカーの電源はコントロールボックスと連動するため、オン/オフ操作は必要ない。

  • Fire TV Stick 4K(赤丸で囲ったところ)など、スティック型のストリーミングデバイスも利用できる。ただしコントロールボックスの背面にあるHDMI端子の間が狭いため、延長ケーブルが必要

続いて、コントロールボックスのメニュー画面でAirPlay用のWi-Fiアクセスポイント登録を終えたあと、音場最適化設定に進む。4本のスピーカーそれぞれから計2回(上向きスピーカー含む)テスト音が鳴り、「360 Spatial Sound Mapping」のデモ映像/音声が開始されればすべての準備は完了だ。

フロントスピーカーはテレビ(今回はプロジェクタースクリーン)の両端に、リアスピーカーはリスニングポジションの後方に置くが、このさい細かいことは気にしない。フロントスピーカーは、床置きではさすがに違和感が出るだろうということで高さ約15cmのスタンドをあてがったが、リアスピーカーは近くのテーブルの上(ソファーの斜め後ろ)にポンと置いただけ。はたして、この安直なセッティングでサラウンドに、大型スクリーンに負けない音になるのか? 実際にこの組み合わせで映画を観てみた。

  • 音場最適化設定の画面。スピーカーを動かすたびに設定が必要になる