SMBC日興証券と富士通は9月27日、SMBC日興証券の個人顧客が行う書面手続きを営業担当者のiPadで完結させるシステムを開発し、同日より運用を開始したことを発表した。

これまでSMBC日興証券では個人顧客が行う手続きについて、顧客が記入および押印した書類を本社にて手続き処理する業務を行っていた。そのため、記入漏れなどによる不備への対応が発生した場合には郵送でのやりとりが発生し、手続きの完了までに時間がかかっていたという。2020年8月からは営業担当者のiPad上で口座開設や届出事項の変更手続きができるようになっていたのだが、それ以外の手続きに関してはこれまで通り書類での手続きが必要であった。

そこで両社は、個人顧客が行う書面手続きを営業担当者のiPadで完結させるシステムを開発したとのことだ。両社は同システムによって個人顧客の手続きに必要な書類の電子化を進めて、手続きにかかる期間の短縮と負担軽減を行い、さらなる利便性向上に努めるとともにペーパーレス化を推進する。

同システムはSMBC日興証券に登録している顧客情報と連携しており、住所などの基本情報が自動入力されて入力項目の一部が省略される。また、入力不備のチェックは同システムによって自動で行われるという。さらに、運転免許証などの本人確認書類はiPadのカメラ機能を使って撮影可能なため、押印も不要となる。同システムによって、これまで最長で1週間程度、最短でも1日から2日程度かかっていた手続き完了までの期間が約30分に短縮される見込み。

同システムは既存の紙帳票イメージをそのままiPad上で利用可能にする機能を搭載し、顧客が手続きする画面をiPad上に生成しているため、SMBC日興証券の業務部門の社員が自ら操作して書類の新規作成や修正も可能だ。両社は今後について、SMBC日興証券における個人顧客が行う手続き書類の電子化をより一層の推進を目指すとしている。また、同システムを非対面での手続きへも展開してオンライン上で完結可能にすることで、手続きにおける顧客の負担軽減と完全ペーパーレス化を目指すとのことだ。